日本語は難しい?【非ネイティブが勉強しても日本語を話せない6つの理由】

ヨーロッパ言語がネイティブの方が日本語を勉強しても、「日本語ネイティブと話すと話せなくなる ! 」というケースは多い。
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この記事の対象は、次の通りだ :

  • 日本語を教えられている方
  • 日本語と外国語のタンデム・交換授業をされている方
  • 日本語を話せるようになりたいパートナーや家族をお持ちの方
  • 外国語を勉強されていて日常会話ができるようになりたい方

この記事の目的は、次の悩みを抱える日本語学習者を助けたり指導するためのものだ :

  • 専門的な話はだいたい理解できるけど、日常会話や友達と話すのがナゼかうまく出来ない。
  • 大学・語学学校などアカデミックな環境で日本語を学んだけど、日常会話・話すのがギコチない。
  • 文法は中級くらいまで理解していて教科書の練習問題はできるが、日本語ネイティブと話すと話せなくなる。
  • 日本語の読み書きはゆっくりだけどできてリスニングもできるほう。だけど、日常会話がギコチない。
  • 日本語学習が長いのに、なかなか話せるようにならない。
日本語を勉強しているのになかなかうまく話せるようにならないヨーロッパ言語ネイティブの日本語学習者を助けたり指導するのを想定して記事を書いた。しかし、他の言語がネイティブの日本語学習者にも応用できる。

みなさんは、「語学を勉強してもなかなか話せるようにならない ! 」という経験をお持ちだろうか?

「相手の言っている事はだいたい理解できるけど、うまく話せない」と言う感覚だ。

外国語を勉強してもなかなか話せるようにならない理由がわかれば、自分が勉強する時も誰かに教える時も、「話す」・「日常会話をする」を効率よく上達・改善することができる。

外国語が話せるようになるコツがわかれば、コミュニケーションが取りやすくなり会話の上達に役立つ。

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家族・友人間の親しい人同士の日本語のカジュアルな話し方ができないという悩みを解決できれば、日本語の学習者はより楽しい時間を過ごせる。

私はフランス語圏に住み始めて19年。日本語を教え始めて13年くらいになる。私がしている授業は大学の大人数の講義ではなく少人数で、依頼主・クライアント・学習者は多様だ。学習者の年齢層は11歳から75歳までと幅広く、職種も小学校高学年から学生・物理数学者・作曲家・公務員・バンカー・管理職・ホテルのマネージャー・主婦・起業家・経営者・翻訳家など多種多様だ。

日本語の授業形態も様々。語学学校から依頼された企業・銀行・ホテルなどで働いている人向けの授業、学習者のニーズに合わせた個人レッスン、レベルがちょっと違う人が混じった数人のグループの授業などだ。

ヨーロッパ言語がネイティブの様々な日本語の学習者を見てきて気づいたことは、日本語を勉強しているのに、なかなか話せるようにならないということ。

日本語非ネイティブが日本語を勉強しても話せない理由は、しばしば次の通りだ :

  1. 日本語は一般的に「語彙」が多い。
  2. 一般的に「文法」が複雑なヨーロッパ言語がネイティブの人は、日本語を学ぶ時も「文法」にスポットを当てがち。
  3. 日本語は、ヨーロッパ言語に比べ「話し言葉」と「書き言葉」がかなり違う。
  4. 日本語学習の教科書・授業の多くは、「話し言葉」よりも「書き言葉」が中心。
  5. 日本語を勉強している日本語非ネイティブが日本語ネイティブと話す機会が、観光・仕事以外に友人・家族関係に広がってきていて、日本語のカジュアルな「会話」ができないとコミュニケーションがよそよそしくなる。なのに、日本語の授業・レッスンでは「書き言葉」に近い「話し言葉」しか教えてないことが多い。
  6. 日本語の「会話」のコツ・特徴をつかんでない。日本に数ヶ月滞在する・日本語ネイティブの家族がいるという環境にいても、「会話」が上手くなるコツをつかめなければ、自然に日本語が話せるようにはならない。一般的な日本語の授業では、実際に役にたつ「会話」のコツはあまり教えない。

5と6は、日本語を教える経験から得た私の持論だ。

本記事では、次の順に、日本語非ネイティブの方が日本語を学ぶ時の問題点・ポイントと、私の経験をご紹介・解説する。

・日本語は難しいのか?

・日本語を教えていて気づいたスイスの大学機関の日本語学習の問題点とは?

・私がしている日本語の授業・レッスンでの工夫(初級~中級)とは

日本語の授業・レッスンを工夫しても学習者はなかなか話せるようにならない !

・日本語を勉強しても話せるようにならない学習者の特徴とは?【重要】

・独学でも日本語が話せるようなる人の特徴とは ?【必見】

日本語を教える方だけでなく、出来るだけ早くヨーロッパ言語などの外国語を話せるようになりたい方にもご参考いただけたら嬉しい。

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日本語ネイティブでも頭を悩ます尊敬語・謙譲語などの敬語の正しい使い方については、別の記事で取り上げる予定。

日本語は難しいのか?

日本語は難しいのか?

使用の画像 : RiyoBlog

まず「日本語は難しいのか」と言う疑問について、次の順に、色々な人の意見をご紹介する。

・言語学者の意見

・日本語を教えられていた方の意見

・日本語勉強歴10年以上で日本滞在歴2年以上のドイツ語ネイティブの方の意見

言語学者の意見

日本語は難しいのか?

使用の画像 :  Pexels

早稲田大学教育・総合科学学術院・英語英文学科の、ペート・バックハウス (Peter BACKHAUS) 教授は、「日本語は難しいのか」という問いに対して次の通りに答えている。

相対的な難しさは、母語によるものであり、客観的に確定するのは不可能です。

簡単に言ったら、一般的に日本語と言語的に距離が遠い英語・フランス語・ドイツ語などのヨーロッパ言語がネイティブの方には、日本語は難しい。そして韓国語・トルコ語・モンゴル語などの日本語に比較的近い言語がネイティブの方には、日本語はそれほど難しくない。

一方、絶対的な難しさには、「音声」「文法」「語彙」「表記」のレベル別に大きなギャップがあり、それを合算して他の言語と比べる方法は現時点では存在していません。

とは言え、日本語は一般的に「語彙」と「表記」がかなり難しい。日本語の「語彙」は、他の言語に比較するとムチャクチャ多いし色んなタイプの言葉がある

日本語には「速さ」「速度」「スピード」のように、和語・漢語・外来語という三つの語彙層が共存し、その扱う範囲もかなり広くなっています。

西洋の諸言語も、例えば英語のように「freedom」(ゲルマン系)、「liberty」(ラテン系)、「autonomy」(ギリシャ系)の3つの語彙層はあるのですが、 日本語の語彙をめぐる複雑さはそれに決して負けないものです。

それに加えて、日本語特有のオノマトペ表現が数多くあり、語彙を非常に豊かなものにしています。

日本語の「表記」は、ひらがな・カタカナ・漢字と数多くの文字を使いこなさなければならない。習得にも時間がかかる。(本記事では、日本語の会話についての解説なので省略。)

日本語の「音声」は割と簡単で、他の言語に比べると発音しやすい。日本語ネイティブの私からすると、母音をハッキリ発音すれば多少イントネーションがおかしくても意味は通じる。例えば関東と関西はイントネーションが違うが、会話は成り立つ。

日本語の「文法」についてはそれほど難しくないものの、ヨーロッパ言語ネイティブの方は「文法」に意識が行きやすい。語順がヨーロッパ言語と日本語では違うからだ。フランス語・ドイツ語のように「文法」が複雑な言語を学ぶ時のように、日本語を学ぼうとするヨーロッパ言語ネイティブの学習者をよく見かける。

引用元は、『ことば研究館』のペート・バックハウス (Peter BACKHAUS) 教授による「日本語は難しい言語ですか」。

ことば研究館

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日本語を教えられていた方の意見

日本語は難しいのか?

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『ヨッ ! センスブログ』の元日本語教師のヨスさんさんは、日本語非ネイティブにとって日本語には難しい部分を次のように指摘されている。

・カタカナ語

・「長音」「撥音」「促音」の正しい発音の仕方

・「自動詞」「他動詞」の使い分け・授受表現の正しい使い方

・助詞の「は」と「が」の正しい使い分け

しかし日本語非ネイティブの学習者が多少間違えたりピッタリした言葉が出てこなくても、日本語に対してキャパシティが広く親切な日本語スピーカーとなら日本語でコミュケーションを取りながら、正しい言い方やピッタリの言葉や、より日本語らしい自然な話し方を身につけていくことができる、というのが私の感想だ。

日本語の動詞のグループ1の「Vて形」の活用のご指摘については同感。

グループ1の「Vて形」の活用は、日本語非ネイティブの学習者にとって難しい ! 

例)

「会う・会います」の「Vて形」は「会って」

「遊ぶ・遊びます」の「Vて形」は「遊んで」

「行く・行きます」の「Vて形」は「行って」

Vて形」を使いこなせないと日常会話はムリだ。Vて形」は、会話でよく使われるからだ。

『ヨッ ! センスブログ』の元日本語教師のヨスさんによる「あんまり知られてない?! 日本語で外国人がくじけるとこ」の記事はこちらだ。

ヨッセンス

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日本語勉強歴10年以上で日本滞在歴2年以上のドイツ語ネイティブの方の意見

日本語勉強歴10年以上で日本滞在歴2年以上のドイツ語ネイティブの方の意見

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『元コンサルタントな歴史家』の伊藤智央(いとうともひで)さんは、日本語勉強歴10年以上のドイツ語ネイティブの方へのインタビュー内容をもとにした記事で次のように指摘している。

・日本語には様々なスタイルがあること

・漢字の読み方が複数あること

・ヨーロッパ言語とつながりがないために手がかりがないこと

(漢字の読み方は、本記事では日本語の会話についての解説なので省略。)

日本語には様々なスタイルがあり、次の点がドイツ語ネイティブにとって日本語の難しいと解説している。

・話し言葉と書き言葉

・敬語のグラデーション

・男性語と女性語

日本語は「話し言葉」と「書き言葉」がかなり違う

日本語は「話し言葉」と「書き言葉」がかなり違う

使用の画像 : RiyoBlog

伊藤智央(いとうともひで)さんの記事に同感だ。

日本語は、ヨーロッパ言語に比べ「話し言葉」と「書き言葉」がかなり違う。

フランス語を普段話して生活している私には、フランス語も「話し言葉」と「書き言葉」は違うが、日本語の方が「話し言葉」と「書き言葉」のギャップを感じる。

日本語の授業や教科書で勉強する「です・ます」調は、「書き言葉」だけじゃなく「話し言葉」でも使われる。しかし、くだけた状況・会話で「です・ます」調を使うと距離感が生まれる。ワイワイ仲良くやりたい場所で「です・ます」調しか使いこなせないと、マジメで距離を縮められない雰囲気を作ってしまう。

例えば、「書き言葉」で日本語を話すとなんか堅苦しい感じになってしまい、飲み会の席や友人同士でワイワイするところでは場違いになってしまう。日本語学習者が居酒屋で日本語ネイティブの友達と飲み進めてみんないい感じに酔ってきても、日本語の教科書通りの話し方をして場が白けてしまい、親切な日本語ネイティブがなんとなく英語に切り替えて盛り上がろうという事が起こる。

日本語勉強歴10年以上で日本滞在歴2年以上のドイツ語ネイティブの方の意見

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日本語学習が綺麗な日本語の話し方を学ぶことは大切だ。

しかし、親しい友人同士で話されることの多いカジュアルなスタイルの日本語も知らないと、日本語ネイティブとうまくコミュニケーションできない事がしばしばだ。

日本語は敬語が難しい

日本語は敬語が難しい

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会話中の敬語の使い方には、日本語ネイティブも頭を悩ませたりする。日本語の敬語は、日本語の初級~中級の学習者にとってかなりハイレベルの問題だから別の記事で取り上げる。

日本語は「男性語」・「女性語」がある

日本語は「男性語」・「女性語」がある

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日本語には、男っぽい、もしくは女っぽい話し言葉があります。そのため、自分の性別と合った言葉を話さないと、社会通念上、変に聞こえてしまいます。

日本語を話す時、ヨーロッパ言語にはない「男性語」・「女性語」という話し手の属性や性格を表す話し方がある。俗に「男言葉」・「女言葉」とも言われる。例えば次の例は、大体想像がつくはず。

①「オレの言う事を聞け ! 」と、②「アタシの言う事を聞いて ! 」と言う2つのセリフ、一般的に考えて話し手はどんな人なのか?

①は、男でちょっと乱暴で上から目線のヤツ。

②は、子供か若い女性。

日本語の「男性語」・「女性語」は、「話し言葉」の時際立って目につく。特に家族・友人間の親しい人同士のカジュアルでくだけた状況・会話のときに、「男言葉」・「女言葉」はよく使われる。

しかし、「男性語」・「女性語」は日本語の授業・教科書ではあまり取り上げられない。

日本のアニメを日本語の音声とヨーロッパ言語の字幕で見る日本語の学習者は、ヨーロッパ言語にはない「男性語」・「女性語」に気づくが、日本のアニメを見ない学習者は「男性語」・「女性語」に触れる機会が少ない。

『元コンサルタントな歴史家』の伊藤智央(いとうともひで)さんによる「欧米人が日本語を難しいと感じるのは何故か?日本語歴10年超のドイツ人に聞きました」の記事はこちらだ。

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とは言え、アニメ・ドラマを見て「聞き取り」をする時に、私は「男性語」・「女性語」を指摘するものの、学習者に使うようには言わない。

理由は私は現実の世界であまり使わないからだ。「男性語」・「女性語」は、なんか作られた感じというか戯画的というか。

関東学院大学・経営学部経営学科の中村桃子教授は、次のように言う。

日本人女性は「日本人女性らしさ」を、古来から続く奥ゆかしい性質を、生まれながらに持っているものなんだって考えたい人がたくさんいる。こういうのを本質主義と言って、「女らしさ」というものが元々存在していて、時代性や土地柄に左右されず普遍的なものだとする考えかた。対をなす「社会構築主義」では、「女らしさ」は社会が作り上げたものと考えます。

『NOISIE』のヒラギノ游ゴさんによる「ハーマイオニーと女幹部 「女ことば」は男が作る【言語学者・中村桃子】」の記事はこちらだ。

日本語を教えていて気づいたスイスの大学機関の日本語学習の問題点とは?

日本語を教えていて気づいたスイスの大学機関の日本語学習の問題点とは?

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私が初めて日本語を教えたのはまだ学生の時。日本語レッスンの目的はスイスの大学の日本語学科の試験対策だった。スイスの大学で日本語を勉強していたフランス語・英語のバイリンガルの友達から日本語の試験対策を頼まれ、学年末試験や追試の準備を手伝い、無報酬で過去問を解きまくる泊まり込み強化合宿みたいのをやった。

そこで気づいたのは、日本語ネイティブの私ですらチョット考えてしまうくらい高度な読解が試験であるのにも関わらず、日本語の日常会話は片言レベルなのだ。つまり日本語だけではほとんど意思疎通ができないレベルなのに、日本語ネイティブの私ですら頭を働かせないと正解できないアカデミックな読解の問題が試験である。

「読み書きはできるのに話せない」という日本での英語学習事情に似ている。

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スイスの大学は日本語の文献を扱う専門家を育てるアカデミックな教育機関だから、読解・小論文に焦点が置かれるのはわかる。しかし日本語の「会話」ももう少しできたら、日本語学習者はスイスにいながら私のような日本語ネイティブの友達と日本語でコミュニケーションでき、日本語に対する理解ももっと深まるのに。

それをキッカケにして、私は日本語の文法もやるが会話が中心の授業・レッスンを始めた。

私がしている日本語の授業・レッスンでの工夫(初級~中級)とは?

私がしている日本語の授業・レッスンでの工夫(初級~中級)とは?

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授業・レッスン中、出来るだけ学習者が日本語の音声を聞き発話することだ。学習者の日本語を学ぶ目的や好みに合わせて、使うテキストや学習方法を選んだり組み合わせたりしている。

例えば「文法」中心の教科書で日本語を勉強したいフランス語スピーカーには :

(教科書を使いながら)

・教える側の私はフランス語で日本語の文法や知識を説明。

・日本語で話しながら練習問題をやる。

実際に日本語ネイティブが使う言葉やフレーズの例を挙げる。

(教科書から離れて)

YouTube の動画や Netflix のアニメなどを聞き取りの練習に使う。面白そうな所を5分~10分くらい見るようにしている。

会話中心の教科書で日本語を勉強したいフランス語スピーカーには :

・「文法」中心の教科書より文字数が少なく紙面のスペースが広いのを利用して、文の構造を書き込み分析的に文章をとらえる。

・教える側の私の後をすぐ追う形で、日本語の文章を発音するシャドーイングを2回ほど行う。

・教科書に付属の老若男女取り混ぜた様々なタイプの音声のオーディオで、リスニング・シャドーイングを行う。

(個人レッスンの場合)

・オーディオを使いリスニングの練習問題をやる時、教える側の私は「文法」ポイント・「会話」に使える「表現」などを学習者のノートにササっと書き取る。そして、2回目のオーディオを聞く前に、教科書が指摘していない部分も追加情報として説明する。最後に、答え合わせのために2回目のオーディオを聞く。

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その他学習者の好みに合わせて、情報をインプットするだけでなく短い簡単なテキストを書くのを宿題にすることもある。

クリエイティブな作業が好きな方は結構ハマって、中には日本語でブログを作る方もいる。私がワードプレスでブログを立ち上げたのは、学習者達の影響だ。

ジュネーブでデッサンの学校を経営され自身もアーティストの方のブログをご紹介する。

tsumarutokoro

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時間が限られるからなかなか難しいが、「会話」も「読み書き」もインプットとアウトプットを組み合わせて学習できるのが一番だ。

日本語の授業・レッスンを工夫しても、学習者はなかなか話せるようにならない !

日本語の授業・レッスンを工夫しても、学習者はなかなか話せるようにならない !

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私は前述のように日本語学習の基本を踏まえつつ、学習者に合わせ色々と工夫をしていたつもりだった。だが私が教え始めて数ヶ月の会話レッスンがメインの学習者に、「日本語が話せるようにならない。文法も初級から中級、上級の初めくらいまでキチっとやったけど、実際に日本に行き日本人の友達や知り合いと話す段階になると、英語で話しちゃう。日本人の友達とは日本語で話せるようになりたい。」と言われた。日本語を勉強し始めてから15年やそれ以上勉強している方にだ。

私は「このままじゃダメだ」と内心慌てふためき、話せるようにならない理由を見つけるべくリサーチを始めた。学習者が去っていくことも私にはダメージだが、何よりも自分が役に立てず何もしないでいるということはまずい。

努力してもできるようにならないのには絶対理由がある。彼らは基本的な学力が備わってない子供ではなく、私なんかよりずっと教養も知恵も経験もある年上の知的な方達だ。

日本語を外国語として学ぶ時、色々疑問がわく。Googleで検索してみたら、前述の「日本語は難しいのか?でまとめた情報が出てきた。

日本語を勉強しても話せるようにならない学習者の特徴とは?【重要】

日本語を勉強しても話せるようにならない学習者の特徴とは?【重要】

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「日本語は難しいのか?という疑問についてGoogleで調べながら、今までの自分の授業を振り返り、学習者たちの授業中の発言・話し方に注目してみた。

「話せない ! 」と感じている非ネイティブ学習者達の日本語の話し方の特徴 :

・「間投詞」がほとんどないか、同じ「間投詞」を連用

・「語尾のヴァリエーション」が「です・ます」スタイルのみ

以上のことが多い。

日本語の話し方について日本語ネイティブと非ネイティブの学習者の細かい違いを省くと、「間投詞」の使い方と「語尾のヴァリエーション」が大きな違いだ

前述の「日本語を教えていて気づいたスイスの大学機関の日本語学習の問題点とは?」で触れたスイスの大学の日本語学科で日本語を勉強していた私の友達も、同じ特徴だった。

「そうですか ! 」と言う「間投詞」を会話に使いまくり、「語尾のヴァリエーション」が「です・ます」のみだった。

そして、日本語ネイティブの私ですらチョット考えてしまうくらい高度な読解・小論文があるのに、会話では「Vて形」をうまく使えない

「間投詞」とは?

日本語を勉強しても話せるようにならない学習者の特徴とは?【重要】

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発言するときに相手に注目をしてもらったり、言い澱み時間稼ぎをしたりするときなどに使われる短い言葉だ。相手の気を引くため・呼びかけるための日本語の「間投詞」だと、「すみません ! 」「ちょっと」「あのう」などがある。時間稼ぎのための「間投詞」は、「そうですねー」「えーっと」などにあたる。

日本語で「間投詞」を検索すると、感動詞・感嘆詞という言葉とともに説明されており、英語とフランス語では Interjection という。一見大事じゃなさそうだがそれがないとギコギコしてしまう。会話における潤滑油みたいなものだ。

「間投詞」は、英語やフランス語などのヨーロッパ言語にもたくさんあり、ネイティブや流暢に話す人たちはほぼ無意識に使っている。

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日本語が話せるようになるコツをつかめる人だ。大抵、次の通りの手順を踏んで習得している。

  1. アニメなどの色んなタイプの日本語の「会話」が出てくるメディアに親しむ
  2. データ分析の感覚で言葉を整理し、傾向や流行をつかむ
  3. 日本語ネイティブと会話するときに、自分が使えそうな言葉を使ってみる
  4. 日本語ネイティブにアドバイスを受ける

1 ~ 4 を繰り返し、次第に日本語ネイティブのような話し方が出来るようになる。

まとめ

日本語は難しい?【非ネイティブが勉強しても日本語を話せない6つの理由】

使用の画像 : RiyoBlog

日本語を勉強しても話せるようにならない学習者は、授業・教科書の理解が高くノートもキレイにとりマジメに勉強する人が多い。なので日本語の「会話」のコツをキチンと教えれば、日本語が話せるようになる。

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独学でも日本語が話せるようになる人たちのように、色んなタイプの日本語の「会話」が出てくるメディアに親しみ分析し言葉を整理し傾向や流行をつかむことが出来たら、日本語が話せるようになるし上達する。

日本語非ネイティブが日本語を勉強しても話せない理由について色々な視点で見てきた。

ヨーロッパ言語がネイティブの人が日本語を学ぶケースを例に、外国語を学びながら日本語を教えてきた私自身の経験と、日本語非ネイティブが日本語を勉強する時の疑問点・問題点・ポイントを次の順で解説した。

・日本語は難しいのか?

・日本語を教えていて気づいたスイスの大学機関の日本語学習の問題点とは?

・私がしている日本語の授業・レッスンでの工夫(初級~中級)とは?

日本語の授業・レッスンを工夫しても学習者はなかなか話せるようにならない !

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