フランス語が話せるようになる !【日常会話・学校で習わない3つの方法】

フランス語を勉強している方は、「現実社会での「話し言葉」が、学校や教科書で習うフランス語とチョット違う」と感じたことはないだろうか?

「話し言葉」は授業ではチラッと出てきても、サラッとやって忘れてしまうことが多い。別の言い方をすると、一般的な文法中心の授業だとキチンと習わないモノが、一般的な日常会話では実際に使われている。

つまり、省略形や、間投詞や、教科書に載っていない表現・言い回しのようなものが、ネイティブや流暢な人の日常会話でよく使われる。だから、文法的知識も習得しつつ「こういう時にどう言えば、相手にどう伝わるか」ということを自分で積極的に繰り返し勉強する必要がある。

私はフランス語圏で暮らし始めて17年。現在は、仕事でも家でもフランス語を話して生活している。

しかし初めてフランスで学生生活を始めた時は、フランス語を事前にキチンと勉強していたのにも関わらずほぼ全くフランス語が話せなかった。専門的なことはだいたい理解できるのに、フランス語の日常会話や友達との何気ないオシャベリができない期間が4年もあった。

その後、ヨーロッパ言語がネイティブの方に日本語を教え始め、「なぜ外国語が話せるようにならないのか」、「どうしたら外国語を話せるようになるのか」を分析的に考えるようになりブログに書いている。

本記事では、非ネイティブの学習者が出来るだけラクにフランス語を話せるようになる3つの方法・私の経験を、次の順序でご紹介・解説する。

  1. フランス語訳マンガで「話し言葉」を読む。
  2. フランス語の動画・テレビドラマ・映画のセリフを書き取る。
  3. 【実践編】 生活の中で、フランス語ネイティブや流暢な人とSNS・メッセンジャーなどのチャットでコミュニケーションを取り、書きながら「話し言葉」を身につけていく。

新たに授業をとったりテキストを買うんじゃなく、自分の好きなメディアを使いながら習得するという方法だ。

上記の3つの方法は、好み・環境・ライフスタイルに合わせてカスタマイズして欲しい。

この記事の目的は、次の悩みを抱える非ネイティブのフランス語の学習者を助けるものだ :

  • 専門的な話はだいたい理解できるけど、日常会話や友達と話すのがナゼかうまく出来ない。
  • 大学・語学学校などアカデミックな環境でフランス語を学んだけど、日常会話・話すのがあまり上手くならない。
  • 文法は初級〜中級くらいまで理解していて教科書の練習問題はできるが、フランス語ネイティブと話すと話せなくなる。
  • フランス語の読み書きもゆっくりだけどできて、リスニングもできるほうけど、話すとギコチない。

フランス語は、英語・ドイツ語・イタリア語と同じヨーロッパ言語に属し共通点がある。なのでそれらのヨーロッパ言語がもっとうまく話せるようになりたい方も、本記事を参考にしていただければ幸いだ。

1, フランス語訳のマンガ :「話し言葉」を読む

フランス語訳のマンガ :「話し言葉」を読む

使用の画像 :  Pexels

私が一番オススメする方法だ。

初級の文法的知識とある程度の「語彙」がある方向けだが、自分の知ってるマンガなら理解しやすく、「話し言葉」だけでなく「綴り」「文法」「語彙」の上達につながる。それに好きなジャンルを選べば、娯楽として楽しめる。

一言一句理解すると言うより、パラパラ見ながら「あ、これって、こんな状況でこう意味で使える言葉なんだ」みたいな感じで、発見するつもりで読むのをオススメする。ワクワクドキドキしながら、「これってどう言う意味?」「ふーん」「なるほど」と思うのは、何かを学ぶ時に大事だ。

フランス語訳マンガについて、次の順序でお伝えする。

・フランス語訳のマンガで「話し言葉」を学ぶメリット

・フランス語訳のマンガでを学ぶデメリット

・最近のマンガの国際的評価

フランス語訳のマンガで「話し言葉」を学ぶメリット

1. 「話し言葉」が読める。

2. 勉強というより遊びの感覚でできる。

3. スキマ時間にできる。

4. ストーリーを追って、デッサンで状況・ニュアンスを見ながら、コンテクストの中で言葉の意味をつかむことができる

実際の私たちの会話とはチョット違っても、「話し言葉」「口語表現」が書かれている。言葉は「聞く」だけだと忘れちゃうことがよくあるけど、「読む」のは知識や記憶を助ける。文字を見ることで、難しいフランス語の「綴り」を覚えることにもつながり、一石二鳥。

「話し言葉」が知りたいと思ったらすぐ取り掛かれる。マンガを読むのが好きなら勉強というより遊びの感覚で、結構楽しい。色々なジャンルがあるし。正直、私ももっと最初の頃にやっておけば良かったと後悔。

私の日本人の知り合いも、スキマ時間に日本のマンガをフランス語で読んでいた。「フランス語の読み書きがまだイマイチでも、自分の知ってるマンガなら理解しやすいし色々な言葉を学べる。」というのが彼女の持論だった。

ストーリーを追って、デッサンで状況・ニュアンスを見ながら、コンテクストの中で言葉の意味をつかむことができる。ある1つの言葉が、使われるコンテクスト(文脈・状況)によって意味が変わるというのは沢山ある。その点マンガは、デッサンで状況や登場人物の表情などが視覚化され、言葉の使い方・意味を理解しやすい。

私は最近になり、日本語の学習者から借りてよく読むようになった。フランス語訳のマンガは、フランス語の基礎がある程度できているなら色々な「話し言葉」「口語表現」が学べていい。

パリに住んでいたのにフランス語が話せなくて苦労した17年前に、フランス語訳のマンガが会話上達につながることに気づいていれば良かったのにと思っている。

フランス語訳のマンガは、フランス語圏で10代・若者を中心に多くの人に読まれ流通していて、日本にいてもAmazon Franceで買える。

    

 

フランス語訳のマンガで学ぶデメリット

1. 書かれている「話し言葉」なので、実際の私たちの会話とチョット違うこともある。

2. 日本で買える日本語のオリジナルのマンガより少々高い。

「話し言葉」は書かれると、実際の会話より文学的になり「書き言葉」により近くなる。しかしそれでも「話し言葉」特有の「口語表現」は、マンガに多く見つけることができる。フランス語訳のマンガは、授業・教科書のお堅いフランス語と日常生活で使われる「話し言葉」のフランス語の間の橋渡し的存在だ。

フランス語訳のマンガが、日本語のオリジナルのマンガより少々高いのは仕方ない。しかし娯楽目的だけじゃなく、フランス語の「話し言葉」「綴り」「文法」「語彙」を学べることを考えると、数冊のフランス語訳のマンガは決して高くはない。

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最近のマンガの国際的評価

フランス語訳のマンガを読むのは、オススメする方法だ。スキマ時間に読めるし、一人でもできるし、何より大変すぎない方法だけど学べるからだ。

しかし「子供時代のサブカルチャーは今更、ちょっと…」と思う方もいるかもしれない。

だが、近ごろ日本のマンガというのは海外でもよく取り上げられており評価も高い。2019年にはイギリスの大英博物館が漫画展を開催し、マンガ好きな人からだけでなく多くの人からも注目を浴びた。是非フランス語訳のマンガを使い、話すことに役立てて欲しい。

産経ニュース

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2, フランス語の動画・テレビドラマ・映画のセリフを書き取る

フランス語の動画・テレビドラマ・映画のセリフを書き取る

使用の画像 :  Pexels

動画・テレビドラマ・映画などを聞いて書き取りをする練習は、ある程度の文法的知識・語彙を少し知ってる段階の方が効果的だ。書き取らなきゃいけないからだ。ただ聞き流しているだけでは忘れてしまう。手を動かすのは大事だ。 

書き取りは、別に一言一句、キチンと書き取りをしなくていい。でも「綴り」に気をつけながら、書き取った後に辞書やGoogle検索で確かめられる方が良い。

フランス語の動画・テレビドラマ・映画のセリフの書き取って「話し言葉」を学ぶ方法について、次の順序で解説する。

・フランス語の動画・テレビドラマ・映画で「話し言葉」を学ぶメリット

・フランス語の動画・テレビドラマ・映画で学ぶデメリット

・フランス語の動画・テレビドラマ・映画で「話し言葉」を学ぶ手順と方法

フランス語の動画・テレビドラマ・映画で「話し言葉」を学ぶメリット

1. シナリオに書かれた「話し言葉」とは言え、より日常で使う「話し言葉」に近い「口語表現」を知ることができる。

2. 聞いて書き取ることで「話し言葉」だけじゃなく、「綴り」「文法」「語彙」も上達する。

3. 別にテレビがなくても、安くカンタンにドラマ・映画にアクセスできる。

フランス語の動画・テレビドラマ・映画で学ぶデメリット

動画・テレビドラマ・映画などの映像は、ボーッと見てしまいがち。何かを学ぶ時は、分析的思考が必要だが、音と映像が一緒になったメディアは何となくボーッとして、覚えてないことが多い。

だからせっかくある情報を忘れないため、書き取って記憶を定着させる。

フランス語の動画・テレビドラマ・映画で「話し言葉」を学ぶ手順と方法

1.   再生機能のある動画・ストリーミングサービスを使う。

2.   気になるシーンだけ、あるいは全体を通して気になる言葉だけ書き取る。

3.   「綴り」を辞書やGoogle検索で確かめる。

4.   フレーズの意味・言葉の意味をコンテクストの中で理解する。

再生機能のある動画・ストリーミングサービスを使うのはポイントだ。YouTubeの動画もオススメ。YouTubeには、無料で面白い動画が沢山ある。

テレビドラマ・映画は、別にテレビがなくても次の条件が揃えば、Zatooというテレビのストリーミングサービスで、無料で番組を見ることができる

  • ヨーロッパにいる。
  • スマホかパソコンがある。
  • 4GかWifiがある。

Zatooは無料・有料の両方のサービスがある。無料のは、視聴を始めるときにZatooの広告が数秒入るが、主要なテレビ局のチャンネルを見ることができる。一旦停止・再生して勉強に使うためには、あらかじめ録画しておくが、現在は有料のサービスのみだ。

Zatoo ホームページへ

ポイント :

・難しすぎたらできるところだけチョコチョコッと書き取りをして、意味をザッと調べて気がついたことをメモするぐらいにして、1つ目の方法のフランス語訳のマンガでまず口語表現を見てみるのがいいだろう。難しすぎると継続できなくなるから。

・カタカナで書き取ってしまった言葉は、調べるか誰かに聞くかして「綴り」を知る。

3, 【実践編】生活の中で、フランス語ネイティブや流暢な人とSNS・メッセンジャーなどのチャットでコミュニケーションを取り、書きながら「話し言葉」を身につけていく

生活の中で、フランス語ネイティブや流暢な人とSNS・メッセンジャーなどのチャットでコミュニケーションを取り、書きながら「話し言葉」を身につけていく

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フランス語圏に住んでいたり、フランス語を話す家族・友達がいる方は実践されているだろう。様々なネイティブや流暢に話す人たちと交流すると、色んな表現方法を知ることができる。

フランス語ネイティブや流暢な人とSNS・メッセンジャーなどのチャットでコミュニケーションを取り、書きながら「話し言葉」を身につける方法について、次の順序でお伝えする。

・友達とフランス語でコミュニケーションしながら学ぶメリット

友達とコミュニケーションしながら学ぶデメリット

・私の体験談

友達とフランス語でコミュニケーションしながら学ぶメリット

1.  実際の「話し言葉」を使うことで、失敗しながらも「話し言葉」が身につき、ちゃんと使えるようになる。

2. フランス語ネイティブや流暢に話す友達から、流行の話し方・使える言葉・いい話し方などを盗める機会がある。

友達とコミュニケーションしながら学ぶデメリット

1. 「語彙」が少ない人にはそれに合わせて話してくれるネイティブが多く、そんなに上達していないのにうまくなった錯覚を起こす。

2. 世の中には色んな人がいるし、良識を持って行動しないと危ない目にあうこともある。

私の体験談

フランスでの学生生活中に仲良くしてくれたフランス人の友達は、研究者や弁護士の同性の友達だった。私の履歴書や書類を添削してくれたり試験勉強を手伝ってくれたりもしたけど、普段のSNS・チャットでも学ぶことが多かった。

例えば「元気?勉強ばっかでやんなっちゃう、近々お茶でもしない??」と言うようなメッセージをフランス語でフランス語ネイティブの仲良しの友達に送るとき、どう書くか? 
« Salut ! Ça va ? Tu vas bien ? J’en ai marre de travailler…. Ça te dit d’aller prendre un verre un de ces jours ? »

などと今では書くが、全部フランス語でネイティブの友達のマネだ。ネイティブの友達とコミュニケーションとりながら、「こう言う風に言えばいいんだ ! 」と言う具合に、マネをして「話し言葉」を覚えた。

フランス語ができる人の話し方をマネしてみるのは、いい方法だ。

とは言え、実践編だけでなく、常に自分で意識的に話し言葉を勉強し続けて「語彙」や「言い回し」を豊かにしていった方がいい。「語彙」が少ない人にはそれに合わせて話してくれるネイティブが多く、そんなに上達していないのにうまくなった錯覚を起こすからだ。

チョット気をつけたほうがいいこと :

・友達はあくまでも「友達」で、自分が話せるようになるための「道具」じゃない。話せるようになるのが目的で誰か見つけたいのなら、語学の「交換授業」・「タンデム」をしたい人を探すのがいい。

・いずれの場合も、疑心暗鬼になる必要はないが人を見る目をある程度持っていた方がいい。「日本人女性は従順で言いなりになる」からと、ヒドいことする卑劣なヤツも中にはいるから。

フランス語・外国語が話せるようになるためのコツ【重要】 

フランス語・外国語が話せるようになるためのコツ

使用の画像 : RiyoBlog

「こういう時にこう言い、それはどういう意味だ」というのを意識して、書き取りなどを通して、情報収集・練習をたくさん繰り返してやる。テレビドラマ・映画のセリフの書き取りは、私もフランスに住み始めた当初やった。

フランス語や英語などのヨーロッパ言語を話す時、日本語の文章を丸ごと頭の中で翻訳して話すことは不可能に近い。

じゃあ、どうすればいいのか?

次の3つのポイントに気を配り、コミュニケーションのコツをつかむ :

・知っている言葉を使い(語彙)

・相手に通じる言葉の並べ方・言葉の活用(文法)と話し方(発音)をしながら

・「自分の意図を伝え、相手の意図を理解する」

「なんだ、当たり前じゃん」と思うだろう。しかし私は頭がフリーズ状態に良くなっていた。

例えば、学校の教室の鍵を管理している受付で「すみません ! 今日は◯◯先生、どの教室にいるかわかりますか?」とフランス語で言いたい時、とっさにフランス語で何と言ったらいいかわからなくなる事はよくあった。

その場合は、自分の意図が伝わるように気をつけながら、知っている簡単な言葉を使いチョット別の言い方をすればいいのだが…

« Bonjour ! Comment allez-vous ? En fait, j’aimerais savoir dans quelle salle M. ◯◯ est là aujourd’hui… »

このように言えば、知りたい情報が得られる。 « Comment allez-vous ? » は、顔見知りの人なら言った方が感じ良い。日本では事務の受付の人に「お元気ですか?」と学生が言わないかもしれないが。どんな言葉を使いコミュニケーションするかは、話せる人のマネをするしかない。

日本語を丸ごと頭の中でヨーロッパ言語に翻訳して話すと、うまく話せなかったり、意図が正確に伝わらないことはよくある。だから「その言語でどう表現したら、自分の意図・感情・言いたいことが正確に伝わるか」を知る必要がある。ネイティブや流暢に話す人たちから盗むのが一番いい方法だ。

「学ぶ」・「習う」・「勉強する」んじゃなくて、「盗む」のだ。

日常会話・「話し言葉」は、授業にお金をたくさん払っても身につかない。必要なのは、次の3点だけだ :

・観察力

・分析力

・実践力

外国語でコミュニケーションして生活する時、語彙・文法・発音のほか、次の点も大事なポイントだ。

・ジェスチャー

・表情

・声のトーン

ネイティブスピーカーや流暢な人のマネをして、意味・意図・感情を表現すれば、より理解してもらいやすくなる。

まとめ

フランス語が話せるようになる !【日常会話・学校で習わない3つの方法】

使用の画像 :  Pexels

下記のフランス語日常会話が上手になる3つの方法をご紹介・解説してきた。

  1. フランス語訳マンガで「話し言葉」を読む。
  2. フランス語の動画・テレビドラマ・映画のセリフを書き取る。
  3. 【実践編】 生活の中で、フランス語ネイティブや流暢な人とSNS・メッセンジャーなどのチャットでコミュニケーションを取り、書きながら「話し言葉」を身につけていく。

この3つの方法は、いずれも「話し言葉」を見える化する点が特徴だ。このように「話し言葉」を文字にヴィジュアル化すると、覚えやすくなるし、「綴り」の練習にもなり、「読み書き」の練習にもなる。

「話し言葉」には学校の授業・教科書には出てこない言葉・言い回し・表現もある。それに、学校で習った文法・語彙の知識を活かしながら文字通りに訳しても意味・ニュアンスがちょっと違うことなんてしばしば。

大事なポイントは、話し手の意図本質的な意味・ニュアンスをつかむよう意識することだ。それができれば、いいコミュニケーションが取れるようになる。そしてコミュニケーションを取りながら、さらに語彙・言い回し・表現を学び、色々なシーンに対応できるようになっていく。

私が提案する3つのアイデア以外にも別の方法があるかもしれない。自分にあった方法を見つけやってみるのも一つの手だろう。

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