先日、Twitter で次のような質問をいただいた。
次の事はどのように理解したらよろしいですか？
陽性率5.5%というのは、新型コロナウイルスの感染が確認されて以来からの平均だと思っていたのですが、
22日の発表の数字で、陽性率は、141/6781=2.1%とはならないのでしょうか？
私は、スイスの新型コロナウイルスの感染者数の推移をまとめた記事に、感染者数・PCRテスト（前日比）・陽性率などを記載している。
この記事は、連日、在スイス日本国大使館から届く情報とスイス連邦政府のサイトを元に作成。ポイントは、次の通りだ。7月半ば〜後半現在は、夏休みを楽しみつつも感染しないように「かなり注意が必要な時期」だ。[sitecard[…]
ブログ記事内の「スイスの新型コロナウイルス関連の公式発表」の情報は、在スイス日本国大使館とスイス連邦内務省保健庁の公式発表を元にしている。
しかし、スイス連邦内務省保健庁の発表には、計算方法の記載が見当たらない。
私も質問者さんと同様、スイス連邦内務省保健庁が発表する陽性率の数字を不思議に思っていた。
単純計算だと、質問者さんのおっしゃる通り、22日の発表の数字では、陽性率5.5%ではなく2.1%になる。
その後、陽性率について興味を持ち、様々な人に意見を聞いたりネットで調べてみた。
そこから結論付けられるのは、次の事だ。
一般的に言われている計算方法だけではなく、色々な事情などを加減して、様々な機関が独自に数字を出しているようだ。
私の個人的な感想は、次の通りだ。
本記事では、次の順に「スイスの新型コロナウイルスに関する陽性率」について、私の見解をご紹介する。
・スイス連邦内務省保健庁の発表にある陽性率は、どのような計算式なのかはわからない !?
・一般的な陽性率の計算法
・スイスで実際に現場でされているだろう陽性率の計算方法のポイントとウラ事情
スイス連邦内務省保健庁の発表にある陽性率は、どのような計算式なのかはわからない !?
使用の画像 : Pexels
スイスの新型コロナウイルス感染症に関する陽性率が、6月25日頃からスイス連邦内務省保健庁の発表に含まれるようになった。
「スイスの新型コロナウイルス関連の公式発表」をよく見られている方によると、スイスの報道でも「6月18日以前の陽性率は、適切に分析され公表されている数字はない」という記事も散見されるとのこと。
ますますナゾが深まるばかりだが、次に「一般的な陽性率の計算法」をご紹介する。
一般的な陽性率の計算法
使用の画像 : Pexels
一般的に、陽性率の計算法は、次のように言われている。
次に、「スイスで実際に現場でされているだろう陽性率の計算方法のポイントとウラ事情」について、ご紹介する。
スイスで実際に現場でされているだろう陽性率の計算方法のポイントとウラ事情
使用の画像 : Pexels
「実際に現場で陽性率を計算する」上でのポイントと問題点をまとめると、次のようになる。
・国や地方で計算方法が異なる。
・民間で実施した検査を含むのか？
・同じ人が重複して陽性となった場合はどうするのか？
・入院していた人が退院をする際に陰性を確認するための検査を含むのか？
前述のような事情から、国・州・医療団体などが独自の計算方法を採用しているようだ。
単純な話ではない。
陽性率を計算するにしても、現場の様々な事情や様々な考え方・やり方がある。
使用の画像 : Pexels
日本でも国や都道府県で、それぞれが異なる計算方法で発表しているそうだ。
そして、今日7月27日午後、スイス連邦内務省保健庁のサイトを見てみると、同日8時の時点の新型コロナウイルスの感染者数などの発表があった。
統計の数字を見ると次の通りだ。
総検査件数 (Total de Testes PCR) : 764894件
総陽性者数 (Cas confirmé en laboratoire en Suisse) : 34390人
陽性率 (Proportion de tests positifs) : 5.4%
34390を764894で割っても0.04496048、約4.5%となり、発表されている5.4%にはならない。
まとめ
使用の画像 : Pexels
本記事では、下記の順に「スイスの新型コロナウイルスに関する陽性率」について、私の見解をご紹介した。
・スイス連邦内務省保健庁の発表にある陽性率は、どのような計算式なのかはわからない !?
・一般的な陽性率の計算法
・スイスで実際に現場でされているだろう陽性率の計算方法のポイントとウラ事情
スイス連邦内務省保健庁から発表される陽性率は、単純な計算だけではないのだろうな、ということが推察される。
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