スイス連邦政府は、2021年2月10日、入国後に「自己隔離が必要な国」の15回目の改訂を発表した。
今回の15回目の改定は、2月11日(木)から21日(日)までの実施と、2月22日(月)以降についてだ。
今回の改訂は、(スイスが指定する)感染リスクが増大している国・地域のみが変更され、対象者、実施内容、報告義務、指定基準、注意事項は変更なしだ。
「スイスの入国情報」は、次の記事で、2020年7月6日以降~最新の情報をまとめている。随時更新。
各国は、外国から自国内に新たにウイルスを持ち込まれたくない。そこで取る措置が「入国制限」と「自己隔離」だ。スイスは、入国の際どのような措置を取っているのか?スイス入国後「自己隔離」が必要となる国・地域は、どのような基準で決められてい[…]
日本からスイスへの入国は可能か?
スイスはどんな措置を実施しているのか?
スイスの2月の感染状況は落ち着いてきているのか?
本記事では、次の順序で、「特定の地域からのスイス入国者に対する検疫措置」と「スイス国内の感染状況」について、ポイントをご紹介・解説する。今回は、パッと地図が思い浮かばないような地名は、地図を入れた。
・2021年2月、日本からスイスへの入国は可能か?
・2月11日(木)からから実施の「特定の国・地域からのスイス入国者に対する検疫措置」の対象国・地域のリストの15回目の改訂内容
・2021年2月、スイスはどんな様子なのか?【2021年2月の感染状況】
・スイス連邦内務省保健庁と在スイス日本国大使館のリンクと連絡先
この記事は、連日、在スイス日本国大使館から届く情報とスイス連邦政府のサイトを元に作成。
2021年2月、日本からスイスへの入国は可能か?
使用の画像 : Pexels
日本は、改訂後も検疫措置など対象国となっていないため、自己隔離は求められない。
とは言え、日本からスイスへの入国は、次の場合のみ認められ、観光などの短期滞在目的での入国は認められない。
・スイスの長期滞在許可を所持する者
・例外的に承認された者(不可欠(essential)な短期商用などの目的で一定の条件を満たす場合)
2月8日より入国制限措置免除対象から除外となったためだ。
2月5日(金)、スイス連邦司法・警察省は、スイス国外からスイスへ入国する場合に入国制限措置を免除する国のリストを改訂(2月2日付)し、日本を同リストから削除した。同改訂は、2月8日(月)午前0時から適用される。日本からスイス[…]
2月11日(木)からから実施の「特定の国・地域からのスイス入国者に対する検疫措置」の対象国・地域のリストの15回目の改訂内容
2月10日、スイス連邦内務省保健庁は、「特定の国・地域からスイスへ入国する者に対する検疫措置」について、「対象となる国・地域のリストと検疫措置の内容」の15回目の改訂をした。
「特定の国・地域からスイスへ入国する者に対する検疫措置」とは、「10日間の自己隔離」だ。
新型コロナウイルス感染症対策として、7月6日から実施している。
次の地図は、スイスが高リスクと指定し、入国後に自己隔離が必要な地域を表している。
濃いブルーは、2月11日現在、入国後に自己隔離が必要な地域だ。
薄いブルーは、2月22日から入国後自己隔離が必要な地域。
スイスは、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアと国境を接するヨーロッパの内陸国。九州ほどの面積だ。
スイスは、国外から流入する人の数が多い。治安は、フランスに囲まれているジュネーブでさえ、フランスに比べるとずっといい。
1.(スイスが指定する)感染リスクが増大している国・地域
使用の画像 : Pexels
次の順でご紹介する。
・2月11日(木)から21日(日)まで
・2月22日(月)以降
※ドイツ語でのリスト順に記載されている。
(1)2月11日(木)から21日(日)まで
<スイス隣接国・地域>
【ドイツ】
・テューリンゲン州
ドイツ中部にある州。
【フランス】
・プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏
イタリアと地中海に接する。ニースやマルセイユの都市がある。
【イタリア】
・エミリア=ロマーニャ州
イタリア北部の州。州都はボローニャ。美食でも知られる。
・フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州
オーストリア、スロベニア、アドリア海に接するイタリア北東部の州。州都トリエステは、19世紀のオーストリア・ハンガリー帝国の一部だった。
【オーストリア】
・ザルツブルク州
ザルツブルクは東アルプス山脈を望む。ドイツと国境を接するオーストリアの都市だ。
モーツァルトの生家がある事でも知られている。
私が2002年当時に訪れた時の印象は、東京の高尾山のような田舎でのどかな所だった。
<スイスに隣接していない国·地域>
(※海外領土など、当該国全領域を含む)
・アンドラ
スペイン、フランスはパッと思い浮かぶが、アンドラがどこに位置するか思い浮かばない方もいるだろう。
スペインとフランスに挟まれたピレネー山脈にある独立公国。スキーリゾートやスパリゾートなどのレジャー産業が盛ん。
外国人が脱税目的でアンドラ国内の銀行に預金する事が多かったが、税制が改革され、2018年12月以降は、タックス・ヘイブンの監視継続対象である「グレー・リスト」から除外されているとのこと。
・ブラジル
・エストニア
バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の1つ。また、フィンランド、ロシアとともにフィンランド湾に面する。2021年1月25日、同国初の女性首相としてカーヤ・カラス元欧州連合(EU)欧州議会議員を選出を選出。
Skype を産んだ IT 先進国、40代の女性が首相になる国として興味深い。
・アイルランド
・イスラエル
・ラトビア
・レバノン
レバノンは中東に位置する。首都はベイルート。シリアとイスラエルと国境を接する。地中海をはさんで、キプロスがある。
・リトアニア
・マルタ
マルタは、地中海に浮かぶ諸島で、シチリア島と北アフリカ沿岸の間に位置する。南ヨーロッパの共和制国家。
リゾートで有名だが、「EUの海賊基地」とも呼ばれる。
不正行為によって利益を享受する政治家、マフィア、ビジネスリーダーの汚職・腐敗、タックスヘイブンやマネーロンダリング(資金洗浄)の中心地として発展してしまい、改善を迫られているとのこと。
・モナコ
・モンテネグロ
モンテネグロは、ヨーロッパ南東に位置する。アドリア海、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、アルバニア、コソボと接する。
90年代、セルビアが牛耳っていたユーゴスラビアが崩壊する前、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニアは、独立に同意しないセルビアと武力解決のほか、セルビアによるジェノサイド、レイプ、追放など民族浄化を経て、独立した。
それに対し、モンテネグロは、のらりくらりとセルビアと距離を縮めたり距離をとったりしながら、セルビアと紛争なしに2006年に最終的に独立した。
・オランダ
・パナマ
パナマは中米と南米を結ぶ地峡にある国。大西洋と太平洋を結ぶ重要な輸送ルートであるパナマ運河は有名だ。
・ポルトガル
・サンマリノ
サンマリノは、イタリア中北部の山岳地帯にある人口がわずか3万人ほどのミニ国家。
・スウェーデン
・スロバキア
・スロベニア
・スペイン
・南アフリカ共和国
・チェコ
・英国
・アメリカ合衆国
(2)2月22日(月)以降
<スイス隣接国・地域>
【ドイツ】
・ブランデンブルク州(追加)
ベルリンは、地理的にはブランデンブルク州にあるが、行政上は別個の州だ。州都はポツダム。ポーランドと国境を接する。
・ザクセン・アンハルト州(追加)
州都はマクデブルク。
・テューリンゲン州
【フランス】
・サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(追加)
パリの南に位置し、オルレアン、シャルトル、トゥールなどの都市がある。シャルトルのノートルダム大聖堂はゴシック建築の傑作として有名だ。パリから列車で1時間ほどの距離。私も訪れたことがある。
・オー=ド=フランス地域圏(追加)
フランス北部。ベルギーと国境を接し、ベルギーの国土より少し大きい。
英仏海峡トンネルでイギリスとも繋がっている。
リール、アラスなどの都市がある。
私がパリで学生生活を送っていた時、リール出身のクラスメイトがいた。口をすぼめるような独特のアクセントで、周りを笑わせていた。
・イル=ド=フランス地域圏(追加)
言わずもがな、フランスの首都、パリがある。
・ノルマンディー地域圏(追加)
シードル(リンゴ酒のサイダー)の名産地。有名なモン・サン=ミシェルがある。学生時代、海を見にパリからエトルタに友達と行ったものだ。
・ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏(追加)
ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏は、スペインに接する。ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏には、ボルドー、リモージュなどの都市がある。シャラント=マリティーム県の島、イル・ド・レで友達と夏休みを過ごしたのが懐かしい。
・オクシタニー地域圏(追加)
オクシタニー地域圏は、スペインとアンドラと国境を接する。トゥールーズやモンペリエなどの都市がある。以前、トゥールーズに家族が住んでいて、ジュネーブからよく遊びに行った。
・ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(追加)
フランス西部に位置し、大西洋に面する。日本の関東地方と同じぐらいの広さの地域に、横浜市とほぼ同じぐらいの人口を抱えるとのこと。
・プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏
【イタリア】
・プーリア州(追加)
イタリア南部の州。州都はバーリ。アドリア海、イオニア海を面し、アルバニア、ギリシャと向かい合っている。
・エミリア=ロマーニャ州
・フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州
・マルケ州(追加)
・ウンブリア州(追加)
【オーストリア】
・ザルツブルク州
<スイスに隣接していない国·地域>
(※海外領土など、当該国全領域を含む)
・アルバニア(追加)
アドリア海を挟んで、イタリアを臨む。モンテネグロ、コソボ、北マケドニア、ギリシャと国境を接する。
・アンドラ
・バーレーン(追加)
西アジア・中東、ペルシャ湾、サウジアラビアの東に位置し、33の島から成る。
・ブラジル
・エストニア
・アイルランド
・イスラエル
・コロンビア(追加)
・ラトビア
・レバノン
・リトアニア
・マルタ
・モナコ
・モンテネグロ
・オランダ
・パナマ
・ポルトガル
・サンマリノ
・スウェーデン
・セルビア(追加)
・セーシェル共和国(追加)
アフリカ大陸から1300kmほどの距離にあるインド洋に浮かぶ115の島からなる島国。
・スロバキア
・スロベニア
・スペイン
・セントルシア(追加)
セントルシアは東カリブ海に浮かぶ島国。公用語は英語。フランス語をベースとしたクレオール語も話されているとのこと。
・セントビンセントおよびグレナディーン諸島(追加)
・南アフリカ共和国
・チェコ
・アラブ首長国連邦(追加)
・英国
・アメリカ合衆国
2. 対象者 : 自己隔離が義務の人は?義務じゃない人は?
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スイスへ入国する過去10日間以内に感染リスクが増大している国・地域に滞在した者。
(トランジットのため24時間未満の滞在にとどまる者は対象外)
なお、国境を越えて通勤する者等は、検疫措置の要請対象から除外されている。また、以下に該当する者も対象外だ。
(1)感染防止措置が講じられた国外イベントなどの場合
・文化的イベントへの参加から帰国したクリエイティブアーティスト
・競技会の参加から帰国したアスリート
・専門的会議の参加から帰国した者
(2)職業上または医学的理由で渡航しなければならず、延期できない場合
3. 実施内容 : スイス入国後の自己隔離は何日間?
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4. 報告義務
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5. 指定基準
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当該国、地域において過去14日間における人口10万人当たりの新規感染者数がスイスの数値よりも60以上上回る数値となっていること。
(欧州疾病予防管理センターのデータに基づく。但し、その他の理由でも指定される場合あり)。
ただし、スイスと国境を接し、経済的·社会的·文化的な繋がりが強い地域は、基準値を超えた場合でも当該リストから除外される場合がある。
6. 注意事項
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陰性証明を有していても、本件検疫措置(自己隔離)の義務は免除されないとのことだ。 また、検疫措置(自己隔離)の義務を遵守しない者に対しては、最高1万フランの罰金が科される場合がある。
2021年2月、スイスはどんな様子なのか?【2021年2月の感染状況】
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スイスは九州ぐらいの面積で、大阪府ほどの人口の国だ。
1月は、1ヶ月かけて24時間あたりの新規感染者が約4000人から2000人に減少した。
#スイス #COVID19
1月の感染者推移。
1月5日 +3,995
6日 +4,772
7日 +3,965
8日 +3,213
12日 +2,836
13日 +2,991
14日 +2,472
15日 +2,394
19日 +2,249
20日 +2,717
21日 +2,192
22日 +2,145
26日 +1884
27日 +2222
29日 +1916— Riyo🤲🏻国際都市ジュネーブから🌍 (@KojimaRiyo) February 10, 2021
2月に入り、24時間あたりの新規感染者が1500人前後報告される日が続いている。
感染力が強力な変異体のウイルスが増えてきて、スイス政府は警戒している。
次の記事で、スイス各州の感染率・ICU (集中治療室)のベッドの占有率や空き・実効再生産数も、グラフでご紹介している。
月~金に更新。
2021年2月、スイスは感染力が強い変異体を警戒している。3月に1日あたりの感染者数が1万5000人なるかもしれないと、スイスの政治家は注意を喚起した。#スイス連邦政府は、新しい変異体による3月からの毎日の感染の増加を恐[…]
スイス連邦内務省保健庁と在スイス日本国大使館のリンクと連絡先
スイス連邦内務省保健庁発表(ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語)
在ジュネーブ領事事務所
(ジュネーブ州、ヴォー州、ヴァレー州およびティチーノ州にお住まいの方)
電話:022 716 9900
Fax :022 716 9901
ホームページ:https://www.geneve.ch.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
まとめ
使用の画像 : RiyoBlog
本記事では、下記の順序で、「特定の地域からのスイス入国者に対する検疫措置」と「スイス国内の感染状況」について、ポイントをご紹介・解説した。
・2021年2月、日本からスイスへの入国は可能か?
・2月11日(木)からから実施の「特定の国・地域からのスイス入国者に対する検疫措置」の対象国・地域のリストの15回目の改訂内容
・2021年2月、スイスはどんな様子なのか?【2021年2月の感染状況】
・スイス連邦内務省保健庁と在スイス日本国大使館のリンクと連絡先
2020年11月は、スイスにとって悪夢のような数週間だった。大阪府ほどの人口のスイスで、1日あたりの新規感染者数1万人超えを記録し、ジュネーブ州がヨーロッパで一番感染率が高い地域となった。#スイス #COVID19家族以外は[…]