9月24日、在スイス日本国大使館は、次のスイス・ドイツ語圏2州の「新型コロナウイルス関連の措置」を発表した。
・ベルン州でのコロナ禍における大規模イベント開催などについて
・チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のための独自措置の一部変更および延長について
9月24日、在スイス日本国大使館は、次のスイス・ドイツ語圏2州の「新型コロナウイルス関連の措置」を発表した。・ベルン州でのコロナ禍における大規模イベント開催などについて・チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のため[…]
スイスの対策は、感染者がある程度増えてから対策を取り始める「後出しジャンケン」的傾向がある。
スイスは、「新型コロナウイルス」の感染者が出始めると、ようやく「マスク・人数制限・客の連絡先リスト」などの対策を始める。なので、感染者がほとんどいない所・少ない所では、対策はされていない。スイスでは、政策として導入されていなくても、[…]
ご紹介の記事に記載した通り、チューリッヒ州は、8月末、ヌーシャテル州、バーゼル・シュタット準州とほぼ同時期に、「独自の措置」を取り出した。
9月24日、「独自の措置」の変更と延長をした理由の1つとして、次のような疑問が浮かぶ。
チューリッヒ州の感染状況は、どう推移しているのか?
チューリッヒ州の状況は、危機的なのか?
チューリッヒ州は、スイスの重要な経済都市で、膨大な数の金融、多国籍企業の拠点となっている。
チューリッヒ州の人口は、スイス最大だ。
本記事では、次の順に、2020年9月24日発表の「チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のための独自措置の一部変更および延長」と「チューリッヒ州の感染状況」をカンタンにご紹介する。
・チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のための独自措置の一部変更および延長とは?
・チューリッヒ州の感染状況は?危機的なのか?
・チューリッヒ州政府の公式発表と在スイス日本国大使館の連絡先
この記事は、連日、在スイス日本国大使館から届く情報とチューリッヒ州政府のサイトを元に作成。
チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のための独自措置の一部変更および延長とは?
使用の画像 : Pexels
1. マスク着用義務(変更なし)
2. 飲食店における連絡先リストの作成(変更なし)
感染経路特定のため、飲食店は、客の連絡先リストの作成。
(家族を含むグループ客の場合は、その代表者1人分の連絡先を把握)が義務づけられる。
3. 入場制限(変更)
使用の画像 : Pexels
入場制限についての変更後と当初の措置は、次の通りだ。
【変更後】全面着席形式の店舗を除く飲食店、バー、クラブなどの屋内における入場制限について、マスクの着用を条件に入場者数が同時に100人から300人に引き上げられる。屋外エリアを加えた全体の入場者は、同時に300人以内に制限される。
【当初】 全面着席形式の店舗を除く飲食店、バー、ディスコ、クラブ、ダンスホールなどにおいて、入場者数が同時に100人以内に制限される。屋外エリアを加えた全体の入場者は、同時に300人以内に制限される。
マスクをすれば、コロナ禍と言え、通常の営業や生活により近くできると、チューリッヒ政府は考えているのだろう。
第1波の最中の4月半ば、まだジュネーブのほとんどの薬局にマスクがなかった頃、人伝てに聞いて、私はトルコ人が経営する薬局にマスクを買いに行った。
その時、薬局の担当の人が、次のように言った事を思い出す。
「みんながマスクをすれば、通常の生活が送れるんだよ。」
そして、次のようなやり取りをした。
私 : 「うーん、まあ、確かに日本ではコロナ禍の前からマスクをしている人が多いらしい。でも、マスクは一体、いくらなんですか?」
薬局の人 :「50枚入りで60フラン(6000円相当)。」
私 : 「高い ! 高過ぎます。でも…1箱買います。」
使用の画像 : RiyoBlog
9月末、50枚60フランのマスクは、ストックとして取っておいてあるので、実はまだ使っていない。レシートもそのまま保管。
5月以降、かなり値段が下がって、スーパーなどでも売り出されるようになり、安く買えたのを使っているからだ。
そして、私が住んでいるジュネーブでは、7月末から店内でのマスク着用が義務になった。
この記事は、在ジュネーブ領事事務所からいただいた情報とジュネーブ州政府のサイトを元に作成。7月27日、在ジュネーブ領事事務所から次のお知らせを受けた。ジュネーブ州では、7月28日午前8時から、商業施設におけるマスクの着用が義務化[…]
4. イベントの開催(変更)
使用の画像 : Pexels
イベントの開催についての変更後と当初の措置は、次の通りだ。
【変更後】屋内における参加者が100人を超えるイベントまたは屋内外における参加者が300人を超えるイベントについては、社会的距離の確保またはマスク着用のいずれかが可能な場合にのみ開催可能となる。
私としては、屋内に2、3人でも、閉め切った場所ならマスクを着用したい。
5. 適用期間(延長)
10月の終わりまでに、改定・延長されるだろう。
何と言っても、スイスの隣国フランスでは、適切な措置がなければ、これからもっと寒くなる秋・冬にかけて多くの重症患者が出ると言われているのだ。
フランスではこのまま厳しい措置なしには1か月後にあの冬のピーク時と同じ1日に650人の重症患者が出、さらにそれは11月中旬では1200となるという計算が出ているそう。イスラエル、スペイン、イギリスのように強い決断が必要、と医師たちが訴えています。https://t.co/DN6fWk2pML via @franceinfo
— Yuka🐾🇨🇵 (@YuKa00470665) September 27, 2020
チューリッヒ州の感染状況は?危機的なのか?
2020年9月末、チューリッヒ州は、「レッドゾーン(危険ゾーン)」ではない。
ご紹介のグラフは、チューリッヒ州の感染者数の推移だ。
そして9月上旬に、チューリッヒ州は、「レッドゾーン」に入った。
#スイス #COVID19 #過去14日間の10万人あたりの感染者数 9月7日
レッドゾーン(危険ゾーン)を通り越して、エビ茶色ゾーンは、次の州😱
・ヴォー州
・ジュネーブ州
・フリブール州
レッドゾーンは、チューリッヒ州。https://t.co/DGI1OPRUJB pic.twitter.com/9Dc22nZCMI— Riyo🤲🏻国際都市ジュネーブから🌍 (@KojimaRiyo) September 7, 2020
60人を超えると、「レッドゾーン」に分類される。
チューリッヒ州は、1日の感染者数が他の州より多く報告されても、州内の人口が多いので、すぐには「レッドゾーン」には入らない。
チューリッヒ州の人口は、スイス最大で約154万人。
ジュネーブ州の人口は、約50万人ちょっとだから、チューリッヒ州は、ジュネーブ州の約3倍の人口がある。
スイス連邦政府・チューリッヒ州政府ともに、チューリッヒ州の感染拡大をストップさせたいのは間違いない。
この章の初めのグラフを見返すと、チューリッヒ州は感染はあるものの、9月半ば以降は爆発的に数字は伸びていない。
つまり、2020年9月後半、チューリッヒ州は、「レッドゾーン」には入っていない。
#スイス #COVID19 #過去14日間の10万人当たりの感染者数
9月27日
エビ茶色ゾーン :
・ヴォー州 : 215人
・ジュネーブ州 : 140人レッドゾーン :
・フリブール州 : 99人
・アッペンツェル・インナーローデン準州 : 62人
・ヌーシャテル : 62人ベルン州が増えている !?https://t.co/DGI1OPRUJB pic.twitter.com/Wv124HloKq
— Riyo🤲🏻国際都市ジュネーブから🌍 (@KojimaRiyo) September 27, 2020
ご紹介の記事で、統計を元に「9月のスイスの感染者数の推移」をお伝えしている。
8月24日、スイスは新学期が始まった。しかし8月末、フランスで1日の新規感染者が5000人超えの日を記録したり、欧州全体、感染が拡大している。スイスもだ。9月の州ごとの感染状況を見ていると、ヴォー州の感染拡大は、[…]
チューリッヒ州政府の公式発表と在スイス日本国大使館の連絡先
チューリッヒ州政府
チューリッヒ州発表(ドイツ語のみ)
https://www.zh.ch/de/news-uebersicht/medienmitteilungen/2020/09/verlaengerungund-anpassung-der-massnahmen-zur-bekaempfung-der-covid-19-epidemie.html
在スイス日本国大使館領事班
電話:031 300 2222
Fax :031 300 2256
メール:consularsection@br.mofa.go.jp
まとめ
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本記事では、下記の順に、2020年9月24日発表の「チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のための独自措置の一部変更および延長」と「チューリッヒ州の感染状況」をご紹介した。
・チューリッヒ州による新型コロナウイルス感染症予防のための独自措置の一部変更および延長とは?
・チューリッヒ州の感染状況は?危機的なのか?
・チューリッヒ州政府の公式発表と在スイス日本国大使館の連絡先
2020年8月後半にかけて、勢いよく感染拡大していたが、チューリッヒ州政府の「独自措置」が導入されてから、統計を見る限り感染拡大は少し静かになってきている。
2020年9月後半、チューリッヒ州は、「レッドゾーン」には入っていない。
チューリッヒ州政府の「独自措置」が功を奏しているのか?
市民の行動が適切だからか?
それとも別の要因があるのか?
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