ジュネーブでも7月28日から店内のマスク着用が義務に ! マスクは気休め?【スイス・COVID19 対策】

この記事は、在ジュネーブ領事事務所からいただいた情報とジュネーブ州政府のサイトを元に作成。

7月27日、在ジュネーブ領事事務所から次のお知らせを受けた。

ジュネーブ州では、7月28日午前8時から、商業施設におけるマスクの着用が義務化される。

スイスの「マスクの義務化についての質疑応答」や「マスク事情」は、次の記事をご覧いただきたい。

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本記事では、次の順に、ジュネーブ州政府が商業施設におけるマスクの着用を義務化する措置、マスク着用の有効性、ジュネーブ州についてカンタンにご紹介する。

「マスク着用」に関して、3月と7月の政策が違うので、色々と突っ込まれるスイス連邦政府のインタビューも付け加えた。

・ジュネーブ州政府は、728日から商業施設におけるマスクの着用を義務化

マスクは気休めじゃないのか?マスクの着用がなぜ有効なのか?

・「マスク着用」に関して、3月と7月の政策が違うので、色々と突っ込まれるスイス連邦政府

・ジュネーブ州は、どんな所?

在ジュネーブ領事事務所の連絡先

ジュネーブ州政府は、728日から商業施設におけるマスクの着用を義務化

ジュネーブ州政府は、7月28日から商業施設におけるマスクの着用を義務化

使用の画像 : RiyoBlog

ジュネーブ州政府の決定により、商業施設におけるマスクの着用が義務付けられる。

また、公に開かれた施設・店舗に入る際には、予め手をアルコール液で消毒することが求められる。

これらの措置は、7月28日午前8時~10月1日まで適用され、状況により延長の可能性がある。

詳しくは、ジュネーブ州政府の発表をご確認いただきたい。

ジュネーブ州政府の発表(フランス語))

https://www.ge.ch/document/21474/telecharger

マスクは気休めじゃないのか?マスクの着用がなぜ有効なのか?

マスクは気休めじゃないのか?マスクの着用がなぜ有効なのか?

使用の画像 : Pexels

新型コロナウイルスに感染しているかいないかに関わらず、多くの人がマスクを着用すれば、感染率が下がり、新型コロナウイルスの拡大を食い止めることができる。

日本では、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前から、公共の場でマスクをする人が多かった。

日本語スピーカーには「新型コロナウイルスの感染対策に、マスクの着用がなぜ有効なのか」は言わずもがな。

しかし興味深いので、次の順に、疫学的見地をご紹介する。

・画像でわかる「マスクが新型コロナウイルスの感染防止に有効な理由」

・ケンブリッジ大学の研究チーム発表の「一定割合の人がマスクをすればCOVID-19は広まらなくなる」と言う研究結果

画像でわかる「マスクが新型コロナウイルスの感染防止に有効な理由」

画像でわかる「マスクが新型コロナウイルスの感染防止に有効な理由」

使用の画像 : Science

ご紹介の画像は、マスクをつける事が「感染防止に有益」なのを視覚化した画像

左側の人物は、無症状感染者。

・左側の人物がマスクなしだと、会話だけでなく呼吸でもウイルスが飛び、まだ感染していない右の人物が感染する確率は高くなる。

・左側の人物がマスクを着用すると、飛沫は減る。

次にケンブリッジ大学の研究チームが発表したものをご紹介する。

ケンブリッジ大学の研究チーム発表の「一定割合の人がマスクをすればCOVID-19は広まらなくなる」と言う研究結果

ケンブリッジ大学の研究チーム発表の「一定割合の人がマスクをすればCOVID-19は広まらなくなる」と言う研究結果

使用の画像 : Pexels

2020610日に「一定割合の人がマスクをすればCOVID-19は広まらなくなる」という研究結果が発表された。

ご紹介の論文は、都市封鎖(ロックダウン)と組み合わせたマスク着用の有効性を評価するものだ。

Gigazine では日本語で解説されているので、引用してお伝えする。

ケンブリッジ大学の研究チームが発表したのは、マスクの効果を数学的モデルを使って解析するという研究です。研究チームは、第1のモデルでは「マスクを着用している人の割合」と「マスクの効力」のみを、第2のモデルではそれに加えて「物体表面から吸入、または手などを経由して口や粘膜から感染する新型コロナウイルス」を考慮に入れて、感染症の患者1人がどれだけ感染症を拡散させるかの目安である「基本再生産数(R0)を算定。全人口のうち、どの程度の割合がマスクを着用すれば流行が収束するのかを求めました。

研究チームはマスクが吸着する新型コロナウイルスの割合をさまざまに変化させつつ、「感染者は症状発現後にのみマスクを着用する」「一定割合(50%、75%、100%)の人が常にマスクを着用する」という各シナリオについて、流行の変化を調べました。その結果、「症状発現後にのみマスクを着用する」というシナリオでは、95%以上の人がマスクを着用した場合に限りR0は半分以下になると判明。一方、「一定割合の人が常にマスクを着用する」というシナリオでは、マスクを着用しない場合の新型コロナウイルスのR0が2.2という前提では全人口の50%がマスクを着用すれば流行は広まらず、着用しない場合のR0が4ならば75%の人がマスクを着用すれば流行は広まらないという結果が得られました。研究チームはこの結果から、「常にマスクを着用することは、症状発現後にのみマスクを着用することに比べて、感染力を2倍も引き下げる効果がある」と説明しています。

また、自家製マスクのようなウイルス吸着効果が低いマスクを用いた場合でも、着用者の割合が高ければ感染率が劇的に下がるとのこと。

この結果から、研究チームはロックダウンとマスク着用率100%を組み合わせた場合、初期の流行ペースが劇的に緩和されると主張。ヨーロッパやアメリカにおいてマスクの着用を推奨している国がスコットランドだけであることを指摘して、COVID-19の第2の波を止めるためにも、市民に対してマスクの着用を促すように訴えました。

論文の筆頭著者であるリチャード・スタット氏は、「感染拡大を防ぐための選択肢がほとんど存在しない発展途上国において、マスクは特に有効だと考えられます」とコメントしています。

GIGAZINE

日本では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として早期から「マスク」が着目されていましたが、世界的にその効果…

やはり、マスクの着用は「新型コロナウイルスの感染防止」になる。

そして、次にご紹介するのは、「マスク着用の効果」についての記事だ。

人口の半分がマスクを着用すれば、新型コロナウイルスの第2波は防げる。

使用コストは低いが、潜在的なメリットは高い。

Inverse

New comprehensive models suggest even 50% face mask use woul…

「マスク着用」に関して、3月と7月の政策が違うので、色々と突っ込まれるスイス連邦政府

「マスク着用」に関して、3月と7月の政策が違うので、色々と突っ込まれるスイス連邦政府

使用の画像 : Pexels

8月4日のRTS(スイス放送協会・フランス語)は、スイス連邦政府のアラン・ベルセ(Alain Berset)氏へのインタビュー、スイス・ロマンド医学会の医師との対話で、番組を通して手厳しかった。

8月4日のRTSによるインタビューの質問内容のハイライトは、次の通りだ。

3月、マスクの不足は、マスク着用の義務に関するスイス連邦議会の決定に影響を及ぼしましたか?

スイス連邦議会はその信頼性を失っていますか?

次に、今回、商業施設におけるマスクの着用が義務付けられたジュネーブ州についてお伝えする。

ジュネーブ州は、どんな所?

ジュネーブ州は、どんな所?

使用の画像 : RiyoBlog

ご紹介の写真は、レマン湖(Lac Léman)だ。

レマン湖は、ジュネーブの街の中で、ローヌ川(Le Rhône)に注ぎ込む。

ジュネーブ州は、どんな所?

使用の画像 : RiyoBlog

次の順に、ジュネーブ州についてカンタンにご紹介する。

・ジュネーブはスイスだけど、フランスに囲まれている !?

・ジュネーブは小さいけど「国際都市」!?

・ジュネーブは、新型コロナウイルスの感染が多い !?

ジュネーブはスイスだけど、フランスに囲まれている !?

ジュネーブはスイスだけど、フランスに囲まれている !?

使用の画像 : RiyoBlog

ご紹介の写真には、黄色と赤のジュネーブの州旗が見える。

ジュネーブは、フランス語圏のスイスの都市。スイスのジュネーブ州の州都だ。

スイスとは言え、ジュネーブ州はフランスに囲まれている。ジュネーブ市内に住んでいても、車で15分~20分走ればフランスに入ってしまうほどフランスに近い。

レマン湖(Lac Léman)は、スイス領とフランス領がつながっている大きい湖だ。

ジュネーブ州は、フランスとの国境が近く、フランスに囲まれている。

ジュネーブ州とフランスの間にはもちろん国境があるが、仕事・学校・日常の買い物に行くため、家族・友達に会うために、毎日多くの人が越境している。

車・スクーター・自転車・バス・電車などの乗り物で越境する場合もあれば、最寄りのトラムから下車してテクテク歩いて越境して、国境から5分の自宅に向かう人もいる。

近隣のフランス国境内からの移動だけでなく「多様で広範囲からの人々の移動」もある。

「多様で広範囲からの人々の移動」は、後述の「ジュネーブは、新型コロナウイルスの感染が多い」事と関係する。

なぜ、人口50万人ほどの小さい都市に「多様で広範囲からの人々の移動」があるのか?

ジュネーブは小さいけど「国際都市」!?

ジュネーブは小さいけど「国際都市」!?

使用の画像 : RiyoBlog

ジュネーブは金融業が発達していて、Groupe Pictet(ピクテ銀行)や Banque Lombard Odier(ロンバー・オディエ銀行)を筆頭にたくさんのプライベートバンクがある。

そして、ジュネーブは小さいけど「国際都市」だ。

ご紹介の写真は、世界知的所有権機関(World Intellectual Property OrganizationWIPO(英語)、Organisation mondiale de la propriété intellectuelle, OMPI(仏語))の本部。

ジュネーブには、国際連合(Office des Nations Unies à Genève, ONU(仏語)、United Nations Office at Geneva, UNOG(英語))を代表とする多くの国際機関がある。

国際連合ジュネーヴ事務局は、4つの主要事務所のひとつで、ニューヨークの国連本部に次いで2番目に大きい。国際連合欧州本部とも呼ばれる。

ご紹介の mini vlog は、昨年の夏、国際連合ジュネーヴ事務局前の Palais des Nations(ナシオン広場)で撮影。

昨年の夏は、世界中からやってくる観光客や、ローラースケートをするジュネーブ市民や水遊びをする子供がいた。

国際連合の機関のほか、国際労働機関(International Labour Organization, ILO)や、新型コロナウイルスでよくニュースにも登場する世界保健機関(World Health Organization, WHO(英語)、Organisation mondiale de la santé, OMS(仏語))の本部もある。

The United Nations agency working to promote health, keep th…

新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、国際会議が数多く開かれていた。

ジュネーブは、新型コロナウイルスの感染が多い !?

ジュネーブは、新型コロナウイルスの感染が多い !?

使用の画像 : Pexels

スイスの感染状況を見ると、ジュネーブが一番、新型コロナウイルスの感染者数が多い。

私が考える主な理由は、次の通りだ。

・多様で広範囲からの人々の移動

・多種多様な人々の生活環境

・低かったマスク着用率

ジュネーブは、新型コロナウイルスの感染が多い

ご紹介の画像は、スイス全体の感染状況だ。

感染が多い所ほど、ブルーの色が濃い。

濃いブルーのスイスの一番左端の小さく突き出た所が、ジュネーブ州(GE)だ。

ジュネーブは、新型コロナウイルスの感染が多い

ご紹介の画像は、ジュネーブ州(GE)だけの感染状況だ。

ジュネーブ州(GE)だけの感染状況を見ると、7月後半現在、感染が拡大しているのがわかる。

ジュネーブでも728日火曜日から店内のマスク着用が義務になったのは、必然の事だ。

次に、在ジュネーブ領事事務所の連絡先をご紹介する。

在ジュネーブ領事事務所の連絡先

在ジュネーブ領事事務所の連絡先

使用の画像 : Pexels

在ジュネーブ領事事務所の連絡先は、次の通りだ。

在ジュネーブ領事事務所

電話 :+41-(0)22-716-9900

FAX:+41-(0)22-716-9901

メール:consulate@br.mofa.go.jp

住所:82, rue de Lausanne, 1202 GENEVE, SUISSE

ホームページ:https://www.geneve.ch.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

まとめ

ジュネーブでも7月28日から店内のマスク着用が義務に ! マスクは気休め?【スイス・COVID19対策】

使用の画像 : Pexels

本記事では、下記の順に、ジュネーブ州政府が商業施設におけるマスクの着用を義務化する措置、マスク着用の有効性、ジュネーブ州についてご紹介した。

・ジュネーブ州政府は、728日から商業施設におけるマスクの着用を義務化

マスクは気休めじゃないのか?マスクの着用がなぜ有効なのか?

・ジュネーブ州は、どんな所?

在ジュネーブ領事事務所の連絡先

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