5月25日、アメリカ、ミネソタ州ミネアポリスで、ヨーロッパ系の警官が、アフリカ系男性を地面にうつぶせにさせ膝で首を押さえつけて死亡させる事件が発生した。
「息ができない」と叫ぶ黒人男性の首を膝で押さえつけていた米ミネアポリス市警の元警官が29日、逮捕・起訴された。…
ヨーロッパ系の警官がアフリカ系男性を死亡させるショッキングな映像は、SNSで世界中に拡散された。アメリカ以外でも、次の2つの視点でデモが行われている。私が住んでいるジュネーブでも小規模ながら「I can’t breathe ! 」と声をあげる人たちが現れた。
・アフリカ系市民に対する偏見と差別の問題
・アフリカ系市民に対する警察暴力の問題
本記事は、次の方向けだ。
・ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けてイヤな思いをする事がある。
・ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けている家族・友達などの身近な人がいる。
・ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けている人を見かけた事がある。
ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けたら、イヤだし、悲しいし、怖いし、悩む。
「どう言う心理で、ヘイトスピーチをするんだ?」とも思う。
この記事を読めば、「ヘイトスピーチ・差別をする人の性格・状況・行動・倫理観」がわかり、ヘイトスピーチを回避したり、より適切な対処をしたりできるようになる。
私はヨーロッパに住んで20年弱。数年住んだ大都会のパリ、現在住んでいる国際都市ジュネーブは、容姿・宗教・母語などが違う人々が住んでいる。
多くの人は、比較的おだやかでお互いリスペクトしているように見えるが、差別・嫌がらせ・誹謗中傷・ヘイトスピーチは存在する。実際、私はヘイトスピーチを数週間にわたって体験した。
「ヘイトスピーチ・差別をする人の4つの特徴」は、次の通りだ。詳しくは本文をご覧いただきたい。
・一見、親切だが、ニセモノの親切である。
・不安・苦しみ・不満をかかえている。
・ヘイトスピーチ仲間を作る。
・していい事と悪い事がわかっていない。
本記事では、次の順に、「ヘイトスピーチ・差別をする人の4つの特徴」について、私が実際にヘイトスピーチ・差別を経験してわかった事をご紹介・解説する。
・ヘイトスピーチ・差別をする人の言動
・ヘイトスピーチ・差別をする人の状況
・ヘイトスピーチ・差別をする人の倫理観
・ヘイトスピーチ・差別を受けた側の心理
ヘイトスピーチ・差別する人の言動
使用の画像 : Pexels
ヘイトスピーチ・差別する人の言動で私が気になったのは、次の2つだ。順にご紹介・解説する。
・一見、親切だが、ニセモノの親切である。
・ヘイトスピーチ仲間を作る。
一見、親切だが、ニセモノの親切である
使用の画像 : Pexels
一言で言うと、「偽善的な人」。
もう少し具体的に言うと、「最初は友好的な人間関係でも、ある日突然ヘイトスピーチ・嫌がらせを始める」場合がある。
私の体験談をご紹介する。
数年前のこと、ジュネーブでパートナーと住むのにちょうどいいアパートが見つからなく、数ヶ月ほど80代のイタリア系老婦人のアパートの寝室1室を私だけ間借りして、パートナーとは別々に住んでいたことがあった。
私の部屋の隣には、私と同世代のパラグアイ系ギタリストがやはり部屋を間借りしていた。
最初は人間関係は良好だった。イタリア系老婦人は親切で、別々に住んでいた私のパートナーに「週末に遊びに来なさい」とも言ってくれていた。
私とパートナーは、イタリア系老婦人やパラグアイ系ギタリストと一緒に食事・音楽を一緒に楽しむ時間もしょっちゅうあり、とても友好的だった。
言わば、「出身国・年代を超えたシェアハウス」と言う感じで、かなり楽しく過ごしていた。
ところがある日、イタリア系老婦人のヘイトスピーチが始まった。
私はイタリア系老婦人に陰口・悪口を言われるようになり、それが私のパートナーにもおよび、彼の民族・出身国をナジりワメくことが増えた。
事の発端は、イタリア系老婦人の50代の娘と息子とその家族が食事に来ていた時だった。
パラグアイ系ギタリストと私も食事会に同席していて、パラグアイ系ギタリストと私が食事の片付けをやった後だった。
深夜0時を過ぎ、イタリア系老婦人と50代の娘は、屋内テラスでアルコールとタバコをプカプカやりながら大きい声でダベっていた。パラグアイ系ギタリストも、アルコールとタバコが好きなのでそこに残っていたようだ。
私はアルコールとタバコが嫌いなので退散し、疲れていたので自分の部屋に入りボーっとしていた。私の部屋は屋内テラスに隣接していて、窓がすいていれば何を話しているか聞こえてきた。
酔っ払った3人が騒いでいて眠れなくて困るが、食事に誘ってくれたから仕方ないと思っていた矢先、エっと思う罵りの単語が耳に入ってきて半分ウトウトしていた私は目が覚めてしまった。
イタリア系老婦人は私のパートナーの悪口を言い始め、彼の出身国を何回も連呼しながら彼がいかに暴力的でヒドい人間かワメきだした。
その日は、私のパートナーは同席していなかった。
イタリア系老婦人が、本人がいない所で周囲に根拠のない悪口を言い罵倒するのを聞いて、私は薄気味悪くなった。
ヘイトスピーチ・差別をする人の特徴は、「偽善」だけではない。仲間を作るのだ。
ヘイトスピーチ仲間を作る
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パートナーに対する悪口・罵倒は、イタリア系老婦人だけでなく、本人をよく知らない50代の娘までもが、深夜2時すぎまでワメいていた。「ヒッドーい ! アリエなーい ! 」という感じに。
(ちなみにスイスで騒音を立てられる時間帯は7時から22時まで。)
私への「嫌がらせ」だったのは明白だ。
パートナーはテストステロンあふれる30代男性だから、80代の女性には「暴力的」に見える事もあるかもしれない。しかし、彼の出身国をナジりヒドい国のヤツらだと言うのは、全く論理的じゃないし、私は超イヤな気分になる。
そこに居合わせた同居人のパラグアイ系ギタリストは、イタリア系老婦人のヘイトスピーチにビックリし、次のようにイタリア語で抗議したらしい。
「なんで悪口言いだすの?彼らが何かした?それに僕たち今日の食後の片付け・掃除もして親切でしょ。何が気に入らないの?」
しかしイタリア系親子は酔っ払っていて全く耳を貸さず、それから延々1時間近くヘイトスピーチだけを続けた。
私はその晩全く眠れなかった。
「ヘイトスピーチをする人の言動」についてお伝えしたが、次に「ヘイトスピーチ・差別する人の状況」についてお伝えする。
ヘイトスピーチ・差別する人の状況
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ヘイトスピーチ・差別する人の状況は、他人には見せなくても、次のような状況の人が多い。
イタリア系老婦人は、私とパートナーや同居人のパラグアイ系ギタリストや訪問してくる友達とオシャベリしたり冗談言ってふざけたりテレビを見る毎日だった。
しかし、足腰が弱くなってきていて移動がままならず、外出は最小限だった。犬の散歩や買い物に行くのに、手押しの歩行器を使っていた。
家の中でも私が部屋で作業していると、「チョット来て ! 」と呼ばれ「クリームを背中に塗ってくれ」「爪を切ってくれ」などと頼まれることがしょっちゅうあった。
私は役に立てるなら嬉しいからイタリア系老婦人の頼みに応じていた。自分の作業が中断されてもそこまで気にはならなかった。ヘイトスピーチをされるまでは。
イタリア系老婦人は、1週間に1度食事に来るが同居していない娘・息子には、気丈なマンマを演じ、同居の他人である私には、家族のように甘えたり、不安・苦しみ・不満をブチまけた。ヘイトスピーチと言う形で。
誰もが、不安・苦しみ・不満を持つ事があるが、他人に「嫌がらせ」をして解消していいのだろうか?
いけないに決まっている。
しかし、「ヘイトスピーチ・差別する人の倫理観」は、違う。
ヘイトスピーチ・差別する人の倫理観
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「ヘイトスピーチ・差別する人の倫理観」で、私が気になったのは、次の3つだ。
・ヘイトスピーチ・差別する事が、悪いとは思っていない人が多い。
・「自分が優遇され、周囲に弱者が欲しい」と思っている。
・「自分が持つ不安・苦しみは、他人も持つべき」と思っている人もいる。
「ヘイトスピーチ・差別をする人」と「してはいけないと認識している人」の倫理観は違う。
次に「ヘイトスピーチ・差別を受けた側の心理」についてお伝えする。
ヘイトスピーチ・差別を受けた側の心理
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ヘイトスピーチ・差別を受けた側の心理は、次の通りだ。
ヘイトスピーチを受けた私には、悪口・ヘイトスピーチをされる理由が思い当たらなかった。
自分に落ち度があるなら改善しようと思ったが、理由が思い当たらないので空回り。
私としてはイタリア系老婦人に親切に友好的にしてきたつもりだった。だから、パートナーに対しての悪口・ヘイトスピーチは心外。
しかも、私に対する悪口ではなく、私のパートナーに対するヘイトスピーチ。
次の順にご紹介する私の体験談は、他のヘイトスピーチには当てはまらないかも知れない。
・私たちは、老婦人の度を越した好意に度肝を抜かれる
・老婦人は、悪口を散々言った相手が現れたら、嬉しそうにする
私たちは、老婦人の度を越した好意に度肝を抜かれる
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パートナーは私よりも愛想がよく、彼が家に来ると、イタリア系老婦人は大喜びでパートナーとオシャベリし冗談を言い笑っていた。
イタリア系老婦人は私のパートナーに「アンちゃん、今日も色男だね ! 」と声をかけ、同居人のパラグアイ系ギタリストに「私、あのコ(私のパートナー)に惚れてるの、どうしよう」と打ち明け、後日、同居人が「チョットチョット」と、私に報告してきたということがあった。
私とパートナーと同居人の私たち30代の3人は、80代のイタリア系老婦人の度を越した好意に、頭を抱えてしまった。
老婦人は、散々悪口を言った相手が現れたら、嬉しそうにする
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ヘイトスピーチの翌日、私はパートナーに報告し、彼は数日後アパートにやってきた。
私はパートナーがヘイトスピーチされ腹を立てていたが、ヘイトスピーチされ悪口を言われまくった本人は全然気にしている風ではなく、イタリア系老婦人に今まで通り愛想よく接していた。
イタリア系老婦人は、機嫌も良く、私のパートナーと会えて嬉しそうだった。
私は全く理解できなかったが、ヘイトスピーチされるよりはいいと思い、深く考えない事にした。
とは言えその後、イタリア系老婦人はアルコールが入ると、私のパートナーがいない時、彼の民族・出身国をナジりヘイトスピーチすることが増えた。
私は毎回腹を立てブチギレたが、パートナーは「落ち着け。彼女は老人なんだ。訳のわからないこといいだしても相手にするな。」と言うばかりだった。
ほどなくして、私たちは無事引越し先を見つけ、ヘイトスピーチを繰り返すイタリア系老婦人のアパートから引っ越したが、次の疑問が頭に残った。
まとめ
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「ヘイトスピーチ・差別をする人の4つの特徴」は、次の通りとお伝えした。
・一見、親切だが、ニセモノの親切である。
・不安・苦しみ・不満をかかえている。
・ヘイトスピーチ仲間を作る。
・していい事と悪い事がわかっていない。
本記事では、下記の順に、「ヘイトスピーチ・差別をする人の4つの特徴」について、私自身の体験談を交えて、ご紹介・解説した。
・ヘイトスピーチ・差別をする人の言動
・ヘイトスピーチ・差別をする人の状況
・ヘイトスピーチ・差別をする人の倫理観
・ヘイトスピーチ・差別を受けた側の心理
2020年5月25日にミネアポリスで亡くなってしまったGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)さんに、心より哀悼の意を表します。
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