【ヘイトスピーチ・差別をする3つの理由】なぜ嫌がらせする?【私が海外で体験したヘイトスピーチ】

私が考える「ヘイトスピーチ・差別をする3つの理由」は、次の通りだ。

詳しくは本文をご覧いただきたい。

・ヘイトスピーチ・差別をすると、不安・寂しさ・ストレスが解消できる。

・ヘイトスピーチ・差別をすると、自分の得になる事がある。

・ヘイトスピーチ・差別をする対象を「悪」とみなすことによって、自分が「正義のヒーロー」になれる。

本記事は、次の方向けだ。

・ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けてイヤな思いをする事がある。

・ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けている家族・友達などの身近な人がいる。

・ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けている人を見かけた事がある。

ヘイトスピーチ・差別・嫌がらせを受けたら、イヤだし、悲しいし、怖いし、悩む。

「なぜヘイトスピーチをするんだ?」とも思う。

この記事を読めば、「ヘイトスピーチ・差別をする理由」がわかり、ヘイトスピーチを回避したり、より適切な対処をしたりできるようになる。

「ヘイトスピーチ・差別をする人の心理」については、次の記事をご覧いただきたい。

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私はヨーロッパに住んで20年弱。数年住んだ大都会のパリでは、私自身はあからさまな差別・嫌がらせを受けたなかったが、見聞きする事はよくあった。

現在住んでいるジュネーブは、「国際都市」と言うこともあり、ヘイトスピーチ・差別が比較的少ないと言われる。しかし私は、数週間に渡って同じアパート内に住む人にヘイトスピーチを受け、大変嫌な思いをした。

本記事では、次の順に、「ヘイトスピーチ・差別をする3つの理由」について、私が実際にヘイトスピーチ・差別を経験してわかった事をご紹介・解説する。

・ヘイトスピーチ・差別は「病んだ人間」が、不安・寂しさ・ストレスを解消するためにする !?

・ヘイトスピーチ・差別は「制度的・構造的人種差別」につながる !

・ヘイトスピーチ・差別は「洗脳された人間」がする !? – マスメディアの功罪

まず、「病んだ人間」によるヘイトスピーチ・差別についてご紹介・解説する。

ヘイトスピーチ・差別は「病んだ人間」が、不安・寂しさ・ストレスを解消するためにする !?

ヘイトスピーチ・差別は「病んだ人間」が、不安・寂しさ・ストレスを解消するためにする !?

使用の画像 :  Pexels

誰でも、不安・寂しさ・悲しみ・怒りを持つ事はある。

しかし、「病んだ人間」は、他人を傷つける事で自分を癒そうとする。

他人を傷つけるのは、許されないのだが…

「病んだ人間」とは、次のようなことをする人を指す。

・「不安や寂しさを持った人」が、「幸せそうに見える人」を妬む。

・自分の居場所に不安を感じ、「自分より劣等とみなす者」を排除・差別しようとする。

・他人を見下して、安心を得ようとする。

「病んだ人間」のヘイトスピーチ・差別について、順に私の経験をご紹介する。

まず、「妬み」について。

「不安や寂しさを持った人」が、「幸せそうに見える人」を妬む

「不安や寂しさを持った人」が、「幸せそうに見える人」を妬む

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【ヘイトスピーチ・差別をする人の4つの特徴】ヘイトスピーチをする人の心理とは?【海外での体験】でお伝えした通り、私は数年前、ジュネーブでパートナーと住むのにちょうどいいアパートが見つからなく、私だけ数ヶ月ほど80代のイタリア系老婦人のアパートの寝室1室を間借りして、住んでいたことがあった。

最初は人間関係も良かったが、私はイタリア系老婦人にヘイトスピーチ・嫌がらせを受ける羽目になった。

イタリア系老婦人は、私のパートナーがアパートに来ている間ではなく、パートナーがいない時に、彼の民族・出身国をナジった。なのにも関わらず、パートナーがアパートにやって来ると、老婦人は嬉しそうな顔をして、テラスで数10分パートナーとオシャベリし冗談を言って楽しそうに過ごしていた。

老婦人が私に嫌がらせをする理由がわからず、私はかなり悩んだ。

しかし、次の2つの老婦人の行動から、私に「嫉妬」して嫌がらせしているのかと思うようになった。

・私のパートナーへの度を越した好意

・他の同居人に「私のパートナーに惚れた」と伝えた事

80代の老婦人は、ステレオタイプの「年齢に関係なく恋するイタリア系」とも言える。普段も老婦人は、フランス語で話している時もイタリア語を混ぜ、「感情豊かで冗談を言ってみんなを笑わせるイタリア系」だった。

しかし、イタリア系老婦人は、高齢で体の自由がきかなくなって来ていた上、「不安や寂しさを持った人」でもあった。タバコとアルコールが欠かせない毎日を送っていた。

老婦人は、30年以上前に旦那に先立たれて、その後お付き合いした人もいたらしいがうまくいかなかったらしい。

とは言え、現在50代の娘と息子が家族を連れて1週間に1度食事に来ていたし、近所の友達も毎日のように来て数10分オシャベリしていく人がいたし、ペットの犬もいた。

一見満ち溢れた人生を送ってきたように見える老婦人だが、持っていないものがあった。

それは、「安心して精神的にも肉体的にも甘えられるパートナー」。

だからイタリア系老婦人は、自分が得られない環境を持っている私に「嫉妬」して、ヘイトスピーチ・嫌がらせをして来たと言える。

「病んだ人間」によるヘイトスピーチの要因には、「嫉妬」だけでなく、「自分より劣等とみなす者を排除しようとする心理」もある。

自分の居場所に不安を感じ、「自分より劣等とみなす者」を排除・差別しようとする

自分の居場所に不安を感じ、「自分より劣等とみなす者」を排除・差別しようとする

使用の画像 :  Pexels

「病んだ人間」には、自分の居場所に不安を感じると、「自分より劣等とみなす者」を排除・差別しようとする者がいる。

例えば、自分が社会の中で多数派(マジョリティ)だったのが、社会的変化があり、多数派(マジョリティ)じゃなくなった時だ。

自分が多数派(マジョリティ)じゃなくなったと言っても、人権は侵害されていないし、不当な仕打ちも受けていない。

しかし、ある一定の他者を「自分より劣等」とみなし、排除・差別しようとする人たちがいる。

前述のイタリア系老婦人のヘイトスピーチと社会的背景を具体的に解説する。

私たちが暮らすジュネーブには、様々な国・地域の出身の人がいるが、それらの国の政情・経済・出生率などにより、人口の増減がある。

一昔前は、イタリア・ポルトガル・スペイン出身の人が多かった。

それが、20年ぐらい前からアルバニア系がドッと増えた。主な理由は、1998・99年に激化したセルビアがアルバニア民族に行ったジェノサイド(民族虐殺)と、経済的混乱。

80代のイタリア系老婦人の普段のオシャベリから、次のような事が察せられた。

・30~50年前は、外にチョット出ても昔はイタリア系が多数で、私のパートナーの民族・国籍に属する人たちは少数だったから、イタリア系は威張れた。

・それが今はアルバニア系が増え、イタリア系である自分は、肩身が狭い思いをする。

イタリア系老婦人は、自分の居場所に不安を感じていて、私のパートナーの民族・出身地を連呼しナジり悪口を言ったとも、言える。

「自分の居場所に不安を感じる」を別の言い方をすると、次のようになる。

・自分の優位性・既得権が失われそうになる。

5月25日に、アメリカ・ミネアポリスで起こった「George Floyd(ジョージ・フロイド)氏の死」を引き金に、世界中で「Black Lives Matter(黒人の命だって大切だ)」という黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える国際的な運動・デモが繰り広げられている。

世界中で「Black Lives Matter(黒人の命だって大切だ)」という黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える国際的な運動・デモが繰り広げられている

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ところが、「Black Lives Matter(黒人の命だって大切だ)」に猛反発し、差別を激しくする人たちも目撃されている。

自分の優位性・既得権が失われそうになると、「自分より劣等とみなす者」を差別する者が出てくるから、注意だ。

「病んだ人間」は、他人を見下して、安心を得ようとする事がある。

他人を見下して、安心を得ようとする

他人を見下して、安心を得ようとする
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民族・国籍に関して、自分の方が「ある一定の民族・国籍」より上とか優れていると思っている人は、世の中に結構いる。

そして「格差」が好きな人は、「格下の相手」に親切にされた時、素直に受け取れない事がある。

例えば、「格下の相手」が経済的に成功していたり優れていたり頑張っていたりしても、正当に評価できず、バカにしたり悪口を言う。

前述のイタリア系老婦人のヘイトスピーチは、今になると客観的に冷静に考えられるから、次のような状況だったと言える。

お金にも不安を持つ老婦人は、影で私のパートナーをバカにし悪口を言って自分の不安を解消したかった。

私のパートナーの出身国、コソボは、1998・99年に激化したセルビアが行ったジェノサイド(民族虐殺)、その後の社会的混乱で、現在も経済的にかなり厳しい状況にある。

だから、イタリア系老婦人が、私のパートナーを「格下の相手」とみなしバカにするにはちょうどよかった。

老婦人はアルコール・タバコの出費が多く、入ってくるお金もギリギリで、お金に超不安を持っていた。

現に私は2ヶ月分早く部屋代を催促されていた。

私のパートナーは、老婦人がお金に不安とフラストレーションを感じているのを察して、毎回アパートに遊びに来て、小1時間老婦人とオシャベリした後や帰り際に、20~30フラン(2000~3000円相当)を「好きなものを買ったりしてね。」と言ってあげていた。

日本的な感覚だと、「困っているからといってお金をあげるなんて、品がない」と思う方もいるだろう。しかし、パートナーのように本当にお金も食べる物も十分にない経験をした者は、お花やチョコレートよりも現金が一番役に立つのを知っている。

とは言え、パートナーはしょっちゅう老婦人のアパートに来ていたわけではなかった。

だからか、1週間近くパートナーがやってこないと、依存的な老婦人は「禁断症状」になったと言える。

パートナーに対してのヘイトスピーチという形で。

ここまで、「病んだ人間」のヘイトスピーチ・差別を私の体験とともにご紹介した。

次に、「制度的・構造的人種差別」についてお伝えする。

ヘイトスピーチ・差別は「制度的・構造的人種差別」につながっている !

ヘイトスピーチ・差別は「制度的・構造的人種差別」につながっている !
使用の画像 :  Pexels
「制度的・構造的人種差別」は、「社会に構造的に埋め込まれた不平等」だ。

簡単に言うと、「制度的・構造的人種差別」がある限り、「徳をする人」と「損をする人」がいる。

Twitterを見ていると、日本に住む日本人の多くが、「制度的・構造的人種差別」にピンとこないように見受けられる。

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「制度的・構造的人種差別」を知らない・理解していない人が日本に多い理由は、恐らく次の2つが原因だ。

・「制度的・構造的人種差別」について、日本語で言語化して語られる事が、あまりにも少なかった。

・ヘイトスピーチ・差別をする人の多くは「凡人」で、出来上がったシステムの中で、疑問に思わず生きている。

カジュアルなヘイトスピーチ・差別と、「制度的・構造的人種差別」は別の物だが、つながっている。だから、理解する必要がある。

次の順にご紹介・解説する。

・「制度的・構造的人種差別」とは?

・ヘイトスピーチ・差別をする人の多くは、「凡人」?

「制度的人種差別」・「構造的人種差別」とは?

「制度的人種差別」・「構造的人種差別」とは?

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「制度的人種差別」、または「構造的人種差別」という言い方をする。

文春オンライン、「白人警官はなぜ黒人を殺害するのか 日本人が知らない差別の仕組み、「制度的人種差別」を知っていますか」の記事で、ニューヨーク在住のライター、堂本かおる氏は次のように説く。

連日、全米で吹き荒れるデモと暴動。メディアには商店略奪の光景や、デモ隊と警官隊の衝突などショッキングな写真が溢れ、暴力を批判する声が盛んに聞かれる。

だが、一連の事態の本質を理解するには、発端となった警官による黒人男性殺害事件、その背後にある黒人差別の実態、特に「systemic racism システミック・レイシズム=システム化された人種差別」(「制度的差別」)を知る必要がある。

 5月25日にアメリカ・ミネソタで起きた「George Floyd (ジョージ・フロイド)氏の死」と、それに引き金に全米・世界中で行われているデモや暴動への無理解は、Twitterからも伝わってくる。

以下、堂本かおる氏によるアメリカの「制度的人種差別」の定義とポイントを抜粋・引用する。

制度的人種差別とは、社会的弱者が不利となる仕組みが社会構造に取り込まれており、黒人が黒人として生まれただけで、以後の人生が自動的に不利の連続となることを指す。

アメリカの「制度的・構造的人種差別」をザックリまとめると、次のようになる。(以下、抜粋・引用)

・目に見えないため、解消が難しい。

・制度的差別に気付かない部外者は、教育が貧困脱出の手段であることから「貧しくとも奨学金で進学できるじゃないか」と言う。だが、貧困地区に生まれた子供と豊かな地区に生まれた子供では、幼児期に自然に取り込める語彙、思考訓練、文化との接触の量がまったく異なる。つまり黒人の子供たちは就学時点で学力的にすでに大きく出遅れていることになる。

・米国の公立学校の財源はほとんどが固定資産税で賄われており、貧困地区と裕福な地区の極端な税収格差が、子供たちが受ける教育格差に直結している。

・優位に立つ側はこの構造に気付かず、社会から取りこぼされて貧困、低学歴、犯罪といった負のサイクルから抜け出せない黒人を「怠惰」「無能」「犯罪者」と見下す。

・教育を受け損ねた者には司法制度の制度的人種差別が待ち受けている。就職が出来ず、良い影響を与えてくれるロールモデルもおらず、それらが理由で犯罪に走ると、逮捕、裁判所、刑務所のサイクルから抜け出せなくなる法的、社会的なトラップがある。

・制度的人種差別の最終地点は、死だ。ごく当たり前の日常生活の行為が、制度的人種差別によって生成されたステレオタイプで「怪しい」「危険」と見做され、黒人はいとも簡単に殺されてしまうのだ。 

詳しくは、堂本かおる氏の記事を読んでいただきたい。

文春オンライン

(3ページ目) 制度的人種差別の最終地点は、死だ。ジョギング中に「怪しい」と射殺された黒人青年、コンビニにジュースを買い…

前述のご紹介した記事のように、「差別」の歴史的背景・社会システムの現状がわかりやすく説明されても、「差別的発言・行為」はなくならない。

一体どんな人たちが、ヘイトスピーチ・差別をするのだろうか?

ヘイトスピーチ・差別をする人の多くは、「凡人」?

ヘイトスピーチ・差別をする人の多くは、「凡人」?
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ヘイトスピーチ・差別をする人の多くは、あまり物事の知識がなく深く考える事もない「凡人」である事が多い。

民族・国籍に関して良い悪い・優劣・上下をつけ他人を見下す人は、残忍で人の心を持っていない場合もあるが、たいていは歴史・社会情勢・戦争・民族虐殺・政治・経済・文化・宗教・災害などの地球上で起こっていることの知識がなく、深く物事を考えないで、ヘイトスピーチ・差別をする。

そして、私も「凡人」。全てのことを博識に知っているわけじゃない。しかし、疑問がわくたびに、ググったり本を読んだり人の話を聞いたりして、物事を理解をするようにしている。

物事を理解をするためには、言語力・思考力が必要だ。母語はもちろん自分が暮らす地域の言語・英語・その他の言語も必要に応じてできたら、物事に対する理解力は深まるし、偏見に満ちた差別的なことを言う過ちを犯すリスクを減らせる。

前述の私にヘイトスピーチを繰り広げたイタリア系老婦人は、「凡人」の一例だ。

スイス・フランス語圏に住むイタリア系老婦人は、フランス語の「会話」は流暢なものの、「読み書き」はあまり堪能じゃなかった。

私は、テラスでフランス語で書かれた新聞を読んでいたイタリア系老婦人に、何が書いてあるか聞かれ、音読したら、「スゴい ! なんで読めるの?」と驚かれた事があった。

フランス語と非常に近い言語のイタリア語が母語の人が、50年以上フランス語圏に住んでいても、フランス語の「読み書き」がおぼつかないということがある。

年齢に関係なく「教育・学ぶ事」は大事だ。

私も毎日のように知らない言葉・知らない事に出くわすし、その度に調べている。物事を知ろう・理解しようという姿勢が大切だ。

そして、あまり物事の知識がなく深く考える事もない「凡人」は、洗脳されやすいから注意だ。

ヘイトスピーチ・差別は「洗脳された人間」がする !? – メディアの功罪

ヘイトスピーチ・差別は「洗脳された人間」がする !? - メディアの功罪

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テレビ・新聞・SNS・YouTube などに、様々な情報が溢れている。しかし、ある程度知識があり考える事ができなければ、発信者の意図に乗せられたり、気がつかないうちに情報を刷り込まれたりしている。

例えば、最近では、NHKの国際情報番組『これでわかった!世界のいま』の「黒人差別の解説動画」が問題になった。

幸いな事に、海外でも「差別的表現がヒドすぎる」と批判された。

HUFFPOSTの生田綾氏による記事、「黒人を描いたNHKのアニメ動画はなぜ差別的で、「許されない」表現なのか」から抜粋・引用する。

動画には、主に以下の2つの点で批判が巻き起こった。

①抗議デモの背景には、奴隷制度時代から続く白人優越主義や、白人による黒人への暴力の問題があるにも関わらず、「経済的な格差」という側面のみに焦点を当てている

②「怒れる黒人」という偏見を助長するような描き方など、黒人をステレオタイプ的かつ差別的に描いている

アメリカ・ニューヨークのブルックリンに生まれ育ち、2004年に来日したアフリカ系アメリカ人のマクニールさんは、「最も重要な問題を不正確に表現している」と指摘する。

「白人至上主義と白人による暴力の犠牲者としてではなく、その対照的なイメージである、『怒っていて、攻撃的で、恐ろしい黒人』という偏見を助長させる描き方をしています」

ハフポスト

抗議デモの背景を伝えず、「怒る黒人」という偏見を助長させるとして、批判が殺到した。…

Twitterを見ていたら、案の定「差別・偏見を助長するメディアに乗せられた人たち」のヘイトスピーチが吹き荒れた。

日本に住んでいる日本語スピーカーの人たちの多くは、日本語メディアで情報を得ている。今回のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)事件・抗議デモについて、私が知人とのやり取りを通して感じた事は、次の通りだ。

日本では、アメリカの暴動・破壊行為にばかりフォーカスして報道されている。

しかし実際、抗議デモは、ヨーロッパ各地でも盛んに行われ、様々な主張・意見が交わされている。

Twitterで日本語で発信をする人を見ていると、次のことに気がつく。

「白人至上主義」を守りたくて現状を変えたくない人たちと、「メディアの印象操作」によって、多くの人が気がつかないうちに情報を刷り込まれ、さらに差別を広げている。

歴史・背景をキチンと説明せず、「情緒的で偏りのある情報」を流すのは、発信者の罪だ。

あまり知識がなく深く考えることもない人たちは、「情緒的で偏りのある情報」を信じてしまうからだ。

「情緒的で偏りのある情報」を刷り込まれて鵜呑みにしていると、自らもヘイトスピーチ・差別を撒き散らし「加害者」になる。

情報を受け取り、自らも発信する時に大事なことは、次の通りだ。

・情報は、「発信者の意図」を伝えるため、「切り取られ編集されているもの」だと意識すること。

・自分で調べ、様々な角度から物事を見ること。

まとめ

【ヘイトスピーチ・差別をする3つの理由】なぜ嫌がらせする?【私が海外で体験したヘイトスピーチ】

使用の画像 :  Pexels

「ヘイトスピーチ・差別をする3つの理由」は、次の通りとお伝えした。

・ヘイトスピーチ・差別をすると、不安・寂しさ・ストレスが解消できる。

・ヘイトスピーチ・差別をすると、自分の得になる事がある。

・ヘイトスピーチ・差別をする対象を「悪」とみなすことによって、自分が「正義のヒーロー」になれる。

本記事では、下記の順に、「ヘイトスピーチ・差別をする3つの理由」について、私が実際にヘイトスピーチ・差別を経験してわかった事をご紹介・解説した。

・ヘイトスピーチ・差別は「病んだ人間」が、不安・寂しさ・ストレスを解消するためにする !?

・ヘイトスピーチ・差別は「制度的・構造的人種差別」につながる !

・ヘイトスピーチ・差別は「洗脳された人間」がする !? – マスメディアの功罪

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