【ラマダンを体験して実感した2つの事】スイスのムスリムと非ムスリムのカップルのレポート

私のパートナーはムスリム

2020年のラマダンは、スイスでは4月24日に始まった。5月23日頃までだから、まだ数日続く。

しかしパートナーは、ラマダン18日目の5月11日の夜、自主的に「ラマダンをやめる宣言」をして、やめてしまった。

私は、非ムスリム

パートナーのラマダンに協力はするものの、私自身はラマダンは実行していない。ラマダンについて読んだり聞いたりして多少知識はあるものの、たった18日間だけどラマダンをしていたパートナーと一緒に過ごしていて、次の疑問が浮かんだ。

一体何のために、ラマダンをするのか?

「宗教的行事だから」というような「思考停止」の答えじゃなく、私はラマダンの背景・フィロゾフィーが知りたい。

本記事は、次のような方向けだ。

・違う文化圏への移住を考えている方

・ラマダンは何のためにするのか、疑問がある方

・ムスリムと結婚されている方・ムスリムのパートナーがいる方

・ヨーロッパ系ムスリムの宗教観・ライフスタイルに興味がある方

・「バックグラウンドが違う人とのパートナーシップ」について興味がある方

本記事を読めば、「ラマダンは何のためにするのか」がわかる。

そして「バックグラウンドが違う人とのパートナーシップがうまくいくコツ」がわかり、より楽しくてラクな「結婚生活」「パートナーシップ」が持てるようになる。

私はフランスとスイスに合計20年弱住み、ムスリムのパートナーと生活をシェアし始めて5年近くになる。パートナーはムスリムと言えど、今年までほとんどラマダンをやって来なかった。

(ラマダンは、病気の人・妊婦・生理中の女性などは、日中の飲食が許される。パートナーは胃が弱いので、ほとんどラマダンをしてこなかった。)

ちなみに去年は、1日だけラマダンをしたのを思い出す。去年のラマダンについての手記は、次の記事にご紹介した。

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そのパートナーが、ラマダンを18日間だけど実行した。そして自主的な「ラマダンをやめる宣言」のあと、昼ご飯を食べながら、ポツリと次のように言ったのだ。

・飢餓はとてもツラい。

・お金がなくて食べ物を買えない人がいたら、絶対に助けなければならない。

上記が、パートナーが「ラマダンをやって実感した2つの事」だ。

経験したからこそ身にしみて理解したような、妙にしんみりした口調だった。

そして、パートナーがロックダウン(都市封鎖)中にラマダンを実践し、「カップルがいい関係を持続させるための方法」について小さな発見をした。

無駄なケンカがエスカレートしないよう、ケンカが勃発したら、カップルの片方が「避難できる場所」に逃げる。

本記事では、次の順序で、「ラマダンは何のためにするのか」についてと「バックグラウンドの違う人とのパートナーシップがうまくいくコツ」について、具体的にご紹介・解説する。

・ラマダンを体験したからこそわかった「貧困」

・スイスに住むヨーロッパ系ムスリムのラマダンは、厳格じゃない?

・スイスに住むムスリムと非ムスリムのカップルのラマダンの過ごし方

ラマダンについての興味を持っている方だけでなく、ヨーロッパ・ムスリム・イスラム教・移住・国際結婚・バックグラウンドの違う人とのパートナーシップのどれかに接点がある方に本記事を読んでいただき、参考にしていただければ嬉しい。

ラマダンを体験したからこそわかった「貧困」

ラマダンを体験したからこそわかった「貧困」

使用の画像 :  Pexels

イスラム教の教えを守らず、サッサと自主的にラマダンを終えてしまったパートナーは、18日間で「悟り」を開いたようだ。

次の2つのポイントが重要なのが、ラマダンをやらなかった私にも伝わって来た。

・飢餓はとてもツラい。

・お金がなくて食べ物を買えない人がいたら、絶対に助けなければならない。

「衣食住に困っている人がいたら助ける」というのは、基本的人権を尊重する思想だ。

物やお金が足りている人には、「飢餓」や「貧困」の苦しみがわからない。「飢餓」がどんな事かを40日間身をもって理解させ、「貧困」に対するアクションを起こさせようとするのが、ラマダンの目的の1つだ。

経済的に恵まれている人たちが少数いる一方、「飢餓」や「貧困」に苦しむ人たちがたくさんいる現代。

「どの人も宗教に関係なく、ラマダンをやった方がいい」とパートナーは考える。

それでは、次の順にお伝えする。

・それは「貧困」? お金が足りなくてレジで買えない人がいたが、助けなかった理由

・「貧困」とイスラム流の支援とは?【ヨーロッパ系ムスリムの場合】

それは「貧困」? お金が足りなくてレジで買えない人がいたが、助けなかった理由

お金が足りなくてレジで買えない人がいたが、私が助けなかった理由

使用の画像 : RiyoBlog
お金がなくて食べ物を買えない人がいたら、絶対に助けなければならない。

完全に同意だ。

しかし、ラマダンが始まって数日後、私が1人でスーパーで買い物をしてレジで待っていた時、私の前にいた60代くらいのマダムが、支払い金額に十分な持ち合わせが現金でも銀行の口座にもないらしくレジで手こずっていたが、私は手を貸さなかった。

最初は「20フラン~30フランくらい足りないのかな」と思い、私はお財布を出そうとしたが、レジに置かれている物を見てやめたのだ。

レジには、大量のタバコのパック、Mövenpick8フラン(800円相当)以上するアイスクリーム、スナック菓子などが置かれていた。

もし、レジにあるものが、野菜・果物・肉・チーズ・小麦粉・パン・豆・米などの生きていくのに必要な物だったら、マダムの代わりに払った。

パートナーに話したら、手を貸さなかった私に同意。

「生きていくのに必要がない上、依存しやすい物」は、お金がない時に買う物じゃないからだ。

しかも、スイスでは、食料品・日常品と、アルコール類・タバコなどの嗜好品は、消費税の税率が違う。

・食料品・日常品などは、2.5%の消費税

・アルコール類などの嗜好品は、7.7%の消費税

スイスでは、食料品・日常品と、アルコール類・タバコなどの嗜好品は、消費税の税率が違う。

https://www.ch.ch/en/vat-rates-switzerland/

しかし、Mövenpickの高いアイスクリーム以前に、世の中には、生命・健康を維持するための野菜・果物・肉・チーズ・小麦粉・パン・豆・米を十分に買えない人がいる。設備が整った家に住めない人がいる。

「貧困」に対し、イスラム教では「相互扶助」の理念がある。

「貧困」とイスラム流の支援とは?【ヨーロッパ系ムスリムの場合】

「貧困」とイスラム流の支援とは?【ヨーロッパ系ムスリムの場合】

使用の画像 :  Pexels

パートナーの出身地、南東ヨーロッパに位置する小国コソボは、独立したのは2008年と、国家としてはまだ新しい。権力者の汚職が多い一方、経済的に困窮する国民もいて、経済・制度などの改革真っ最中だ。

しかし国民の90%以上がムスリムで、うまくいっていない公的な社会制度を埋めるかのように、イスラム的な「相互扶助」が存在する。

イスラム的な「相互扶助」の特徴は、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授・小杉 泰氏の「シリーズ・危機からの復興・宗教的救済」によると、次の通りだ。

イスラムの救済制度は、個々の信徒の自発性にもとづくため、地域コミュニティーに立脚し、小回りがきく。

その意味で、 行政よりもニーズに応じた対応がしやすい。

現在コソボでは、「地域コミュニティー」が、Facebook・YouTube などのSNS・ウェブメディアに取って代わっている。「貧困」とイスラム流の支援とは?【ヨーロッパ系ムスリムの場合】

使用の画像 :  Pexels

イマーム(宗教的指導者)を中心とした「相互扶助」をオーガナイズする人たちが、助けが必要な人たちのためにお金を集め、誰にどのようにお金が使われたか報告の動画を作り、Facebook・YouTubeでシェアしている。

さっきまで Instagram を見て笑い転げていたパートナーから、グスっグスっと泣いているような音が聞こえてきたことがあった。「どうしたの?」と見に行ったら、イマーム(宗教的指導者)たちが作った寄付金の報告動画を見ていて、コソボの「イスラムの救済制度」についてザッと説明してくれた。

現在、北欧・イギリス・フランス・ドイツ・スイス・イタリアなどに住んでいるコソボ出身の人には、事業やビジネスに成功してかなり経済的に豊かな人たちもいて、祖国の「相互扶助」のオーガニゼーションに寄付する人も多い。

「貧困」とイスラム流の支援とは?【ヨーロッパ系ムスリムの場合】

使用の画像 : RiyoBlog

この「相互扶助」の精神は、2019年11月にアルバニアで起こった大地震の時にも発揮された。

コソボの多数派の市民であるヨーロッパ系ムスリムは、アルバニアに宗教的連帯感というより民族的連帯感を強く持つ。

地震直後に、コソボ政府がアルバニアに救援を素早く送ったりしただけでなく、スイス・ドイツに住むコソボ出身のヨーロッパ系ムスリムの市民も、アルバニアに義援金を送ったりした。

パートナーから、弱者のための「イスラムの救済制度」の話を聞き、私は次のように思った。

国家・行政の公的な福祉が行き届いた社会に住みたいが、システムから漏れてしまって福祉を受けられない事態が生じる事もある。

そんな時、弱者のための「イスラムの救済制度」のような民間の「相互扶助」のオーガニゼーションがあったら安心だ。

次に、「スイスに住むヨーロッパ系ムスリムのラマダン」についてお伝えする。

スイスに住むヨーロッパ系ムスリムのラマダンは、厳格じゃない?

ムスリムと言うと、中東・北アフリカ・パキスタン・マレーシア・インドネシアなどの地域を思い浮かべる人が多い。

しかし、ヨーロッパ系のムスリムもいる。

南東ヨーロッパには、イスラム教を信仰する民族が多数派の地域がある。パートナーの出身国のコソボには、住民の90%以上がムスリムで、イスラム教的な文化がある。

とは言えコソボは、長い歴史の中で、近隣のアルバニア・トルコ・ギリシャ・イタリアなどの地域から文化的に影響を受けたり、近隣地域に影響を与えたりしてきて、独自の文化を持っている。

スイスやフランスやドイツなどのヨーロッパ諸国には、ボスニア、コソボ、北マケドニアなどの国出身のヨーロッパ系のムスリムもいる

スイスに居住するムスリムの出身を見ると、バルカン諸国(南東ヨーロッパ)出身のヨーロッパ系のムスリムが一番多い。

そして、興味深いのは、スイス連邦政府は「スイスに居住するムスリムは、キリスト教徒より宗教的行為を実践していない」と報告している事だ。

実際のところ、どうなのか?

次の順に、ヨーロッパ系ムスリムと暮らして見える「宗教的行為の実践度」をお伝えする。

・非ムスリムの私から見てもチョットおかしいムスリムのパートナーの行動

・ロックダウン(都市封鎖)緩和とレストラン・バーの再開と共に、ラマダンをやめるヨーロッパ系ムスリムが多いのはなぜ?

パートナーは、れっきとしたムスリムだが、非ムスリムの私から見てもチョット違うんじゃないかと思う行動をとるのでまとめてみた。

非ムスリムの私から見てもチョットおかしいムスリムのパートナーの行動

・ラマダンが始まる直前の数日間、「ラマザ~ン、ラマザ~ン」と動画を見ながら、振りをつけて歌う。

その横で私は、ググって、アラビア語の発音が「ラマダン」ではなく、「ラマザーン」に近い事を知る。

・去年はイフタール(日中の断食明けの日が暮れてからとる食事)の前にお祈りをしたのに、今年はお祈りをしない。パートナーは食べる前に、テーブルについてからブツブツお祈りの言葉を唱えるのみ。

「お祈りはちゃんとした方がいいと思うけど」とパートナーに言ったら、「いいんだっ」。

パートナーは、普段も、お祈りを家でしない。

その代わり、たまにモスクの金曜の礼拝にいそいそと出かけて行く(注)。お祈りをすると、頭がスッキリすると言うか、心が落ち着くのだそう。

(注)2021年2月5日の時点では、ジュネーブのモスクでのお祈りへ参加するには、予めネット登録をした者のみとの事。新型コロナウイルスの変異体の脅威に備えるための措置だ。

とは言え、お祈りを家でする同年代のヨーロッパ系ムスリムの知り合いもいる。

一般的に、ヨーロッパに暮らす20代・30代のムスリムは、家でお祈りを全くしないわけではないが、勉強・仕事・家事・家族との時間・友達との付き合いで、いっぱいいっぱいの人が多い。

しかしヨーロッパでは、子育てが一段落した世代の60代くらいになると、お祈りやラマダンなどの宗教的行為を実践するムスリムが増える傾向にある。

・イフタール(日中の断食明けの日が暮れてからとる食事)は、私が作る事が多いが、パートナーは死にそうな顔をしながら、YouTubeアザーン(肉声のお祈りの時間のお知らせ)を聴きながら待っている。

・イフタールの最中は、ラマダンについて音楽になっているものを聴きながら、黙々と食べる。

ラマダン中は特に、会話しながら食事をすると言うマルチタスクはできないらしく、食事中の会話がなかった。

なので、パートナーが「ラマダンをやめる宣言」のあと昼ご飯を食べながら、「飢餓」や「貧困」について語り出した時は、言葉に重みを感じた。

ただのおちゃらけムスリムではなかったとホッとした。

そうは言っても、ヨーロッパ系ムスリムは、宗教に対してあまり厳格じゃない人が多いのかと思う。

ロックダウン(都市封鎖)緩和とレストラン・バーの再開とともに、ラマダンをやめるヨーロッパ系ムスリムが多いのだ。

ロックダウン(都市封鎖)緩和とレストラン・バーの再開と共に、ラマダンをやめるヨーロッパ系ムスリムが多いのはなぜ?

ロックダウン(都市封鎖)緩和とレストラン・バーの再開と共にラマダンをやめる人が多いヨーロッパ系ムスリム

使用の画像 : RiyoBlog

パートナーが自主的に「ラマダンをやめる宣言」をしたのは、5月11日。

実は、その日、スイスではロックダウン(都市封鎖)緩和の第2段階が始まった日だった。つまり、レストラン・バーも含めた様々なお店が再開した日なのだ。

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2020年のラマダンは、スイスでは、新型コロナウイルス(COVID19)対策で、ロックダウン(都市封鎖)中に始まった。 « Stay at Home » と言う掛け声とともに、多くの人が家で過ごす事になった。

パートナーのように今までラマダンを実践して来なかった人たちも、今年は「非常事態宣言」でラマダンがしやすい環境にあって、実践してみた人が多かったに違いない。

ところが、段階的なロックダウン(都市封鎖)の緩和政策がとられ、リモートワーク・休業・失業だった人たちが経済活動を始めようと外に出始めたり、友達・知り合いともレストラン・バーでリアルで情報交換・オシャベリできるようになったりした。

自宅外での仕事・経済活動・情報収集・付き合いとともに、ラマダンをやめた人が多いのではと推測する。

ラマダンが終わる1週間前に当たる5月16日に、私がパートナーと友達とカフェに立ち寄ったら、ヨーロッパ系ムスリムと思わしき人たちが何組もコーヒー片手に談笑していた。

ロックダウン(都市封鎖)緩和とレストラン・バーの再開と共にラマダンをやめる人が多いヨーロッパ系ムスリム

使用の画像 : RiyoBlog

ヨーロッパ系ムスリムは、宗教に対して、良く言えばフレキシブル、悪く言えばチャランポランな感じの人が多い。

ヨーロッパ系ムスリムの行動様式には、次のような背景があるからと言うのが、私の考えだ。

・もともと、ヨーロッパ系ムスリムは、多民族・多宗教・多言語の地域が出身地域で、現在も政治と宗教が分離している。

・そして、90年代にセルビアによって行われた民族虐殺から逃れるため・経済的理由で北欧・イギリス・フランス・ドイツ・スイス・イタリアなどに渡った人たちの多くは、移住先の土地で、自分の文化を大切にしながらも、一市民としてまともな生活が成り立つよう努力していて、宗教的行為に没頭していない。

付け加えるなら、スイスの国際都市で暮らすヨーロッパ系ムスリムは、民族・宗教・母語が違うパートナーと結婚する人も数多い。

次に、「ムスリムと非ムスリムのカップルのラマダンの過ごし方」について、スイスに住む私たちの例を中心にお伝えする。

スイスに住むムスリムと非ムスリムのカップルのラマダンの過ごし方

ムスリムと非ムスリムのカップルのラマダンの過ごし方

使用の画像 :  Pexels

実はラマダン中、私とパートナーは一緒に過ごさない夜もあった。

スイスでロックダウン(都市封鎖)中のラマダンというのは、なかなか難しい。理由は、3つある。

・四六時中ベッタリ家の中で過ごし、午後パートナーが空腹を感じる時間帯は、どうでもいい事でケンカになりやすい。

・パートナーが朝の4時前後にスフール(夜明け前の食事)を食べるので、私は気配で目を覚ましてしまい、睡眠不足になり、日中イライラしやすい。

・日没から夜明けまで、ラマダン特有のお祭り・スペシャルイベントを味わいたくても、スイスで夜間に隣人に迷惑になるような物音は立てられないし、外に出ても夜道を静かに散歩するのみ。ロックダウン(都市封鎖)じゃなくても、スイスでは夜間お店は開いていない。

そこで、私たちがとった解決策は、次の通りだ。

言い合い・ケンカになり始めたら、パートナーがいとこの家に避難し、一晩過ごす。

距離感が近くて結びつきが強いカップルが、イライラが原因の言い合い・ケンカになった時に、サッと距離をとり冷静になるのは有効だ。

一晩明けるとケンカの内容は忘れていて、普通にコミュニケーションが取れ一緒に仲良く過ごせる。

とは言え、言い合い・ケンカになった時に、サッと距離をとりいい関係を取り戻せるのは、次の場合のみだ。

・距離感が近くて結びつきが強いカップル。数時間後~1日後に、仲直りできると確信できている方がいい。

・一晩明けると忘れてしまうような内容のケンカ。非常に重要な事なら、ケンカや言い合いではなく、キチンと話を聞いて理解しあった方がいい。

幸いスイスは、ロックダウン(都市封鎖)中、イタリアやフランスはスペインと違い、「外出許可証」なしに出歩けたので、「ケンカ解決策」として同じ市内の親戚の家に避難ができた。

とは言えケンカしなくても、普段からパートナーがいとこの家で過ごす事はしょっちゅうある。ラマダン中に、パートナーが同じ伝統を持つ親戚と一緒に過ごす時間も持てて良かったと思っている。

カップルがいくら仲良くても、ケンカ・言い合いをする事は生じる。

無駄にケンカがエスカレートする前に、「避難できる場所」を作っておくのは、いい関係を持続させるための1つの方法だ。

番外編・ラマダンを再開する !?

番外編・ラマダンを再開する !?

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この記事がほとんど出来たところに、パートナーがいとこの家から電話をかけてきて、「今日はとても恐ろしいことがあった。シャワーを浴びて身を清めた。これからお祈りする。明日はラマダンする。」と宣言。

一体何があったのか詳しく聞いたら、ウッカリ車のドアに傷をつけてしまい、サッサと家に帰って来ればよかったのに、知り合いにバッタリ会ってオシャベリに付き合っていたら、カップルの痴話喧嘩に巻き込まれ、警察沙汰に。

話に聞くだけだと、そこまで「恐ろしい事」ではないが、パートナーはショックだったらしい。

ラマダンをして、心を冷静にするのはいい考えかもしれない。

まとめ

【ラマダンを体験して実感した2つの事】スイスのムスリムと非ムスリムのカップルのレポート

使用の画像 :  Pexels

パートナーがラマダンをやってわかった2つの事は、下記の通りだ。

・飢餓はとてもツラい。

・お金がなくて食べ物を買えない人がいたら、絶対に助けなければならない。

そして、ムスリムの方には言わずもがなだが、ラマダンは次のように定義できる。

・ムスリムに課せられた義務の1

・ムスリム同士の連帯感

・心と体を浄め、神に感謝して祈りに集中する神聖な月

・お祭り・スペシャルイベント

ラマダンは、日中の「断食」に注目しがちだが、日中のあらゆる欲望を断つ事が求められ、日中に次の事も禁止されている。

・喫煙

・性行為

本記事では、下記の順序で、「ラマダンは何のためにするのか」についてと「バックグラウンドの違う人とのパートナーシップがうまくいくコツ」について、ご紹介・解説した。

・ラマダンを体験したからこそわかった「貧困」

・スイスに住むヨーロッパ系ムスリムのラマダンは、厳格じゃない?

・スイスに住むムスリムと非ムスリムのカップルのラマダンの過ごし方

ラマダンについての興味を持っている方だけでなく、次のキーワードのどれかに接点がある方に本記事を読んでいただき、参考にしていただければ嬉しい。

・ヨーロッパ

・ムスリム

・イスラム教

・移住

・国際結婚

・バックグラウンドの違う人とのパートナーシップ

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